アリババグループは1月23日、同社のオンラインスーパー「Tモールスーパー」において、「エネルギー・エキスパート」を活用した、持続可能なサプライチェーン構築への取り組みを発表した。エネルギー・エキスパートはアリババクラウドのサステナビリティプラットフォームを指す。
Tモールスーパーは2022年4月の開始以来、生分解性カップや堆肥化可能なベイキングペーパーなど、20種類のグリーンな自社ブランド日用品を開発してきた。カーボンラベルを導入した事業者にインセンティブを与え、エコフレンドリー製品を購入した消費者には特典と交換可能なポイントを付与するなどしている。
同社は、中国で日用品メーカー向けに製品を生産しているRuikang Technologyと提携し、エネルギー効率の高い新しい機械の導入を提案。140トンの二酸化炭素排出量と年間30万キロワット(kWh)の電力の節約を実現した。これは中国における約400人分の年間家庭電力消費量に相当する。さらに、Ruikang Technologyに対して梱包材を生分解性素材に切り替えるよう推奨するほか、工場の廃熱から温水を回収する計画を考案するとともに、ソーラーパネル設置による再生可能エネルギーへの移行も支援している。
ユニリーバやネスレなど大手日用品メーカーとの協業では、サプライチェーンにおける生産および運営改革を推進。エネルギー・エキスパートでテクニカルマネージャーを務める袁燦(ユエン・ツアン)氏は、中国の工場について次のように述べている。
「中国の小規模工場の多くは、取引先企業からの指摘がない限り持続可能な生産・運営に対して前向きではありません。これらの工場には、持続可能なシステム構築に不可欠なデジタルインフラもないため、アリババがグローバル企業と提携しサプライチェーンに変革をもたらすことが必要でした」
アリババは今後、2035年までにエコシステム全体の二酸化炭素排出量を15億トン削減を目指すとのこと。