延長保証制度の設計・運営を行うテックマークジャパンは、全国の20代~60代400名を対象に、家電の修理に関する意識調査を実施した。なお、本調査における「修理」とはメンテナンスを除き、故障・不調・破損時における修理を意味する。
日本での「修理する権利」の認知度は8.8%
「修理する権利」とは、製品が故障した際などに消費者が自らもしくは製品を販売するメーカー以外の専門店を介して修理する権利を確保しようとすること。欧米を中心に関心が高まっており、米国では2021年7月21日に「修理する権利」を認める法案が可決された。
「修理する権利」を認めることで、消費者自身が修理に必要な工具、部品、情報などを自由に入手できるようになり、メ ーカーを介さずとも修理できるようになる一方で、消費者自身が製品を修理するのは危険であり、安全面においてリスクに晒される可能性があるとして反対の意見も出ている。
現在、海外で関心が高まっているこの「修理する権利」の認知度は、日本では8.8%と、1 割にも満たない結果に。一方、今後日本での「修理する権利」の発展に「とても期待する」「やや期待する」との回答は合計で 61.5%の結果になった。
発展を期待する理由の上位には、「自分で修理したいから」(39.4%)、「重要な権利だと思うから」(38.6%)、「環境の観点から」(35.8%)がランクイン。一方で、発展を期待しない理由の上位は「危険だと思うから」(40.3%)、「メーカー保証が優れていると思うから」(31.8%)、「自分と関係がない・興味がないから」(31.2%)という結果となった。
「一度購入した家電をできるだけ長く(寿命いっぱいまで)使用したい」が9割
一度購入した家電はできるだけ長く(寿命いっぱい)使いたいという回答は 9割となった。その理由として、72.5%が「コスト削減のため」と回答。また、 57.5%が「買い替えの煩わしさをさけるため」、43.3%が「エコの観点から」と回答した。
家電が壊れてしまったときに最もよくする行動として、「プロに相談・修理を依頼する」が50.3%で最も多く、次いで「廃棄する」との回答が25.5%いることがわかった。現状は一度購入した家電をできるだけ長く使用するために、プロのサポートに頼っている人が多いことが明らかに。一方で、22.5%が「自分で修理する」と回答しており、日本では「修理する権利」の認知度は1割にも満たない状況ではあるものの、一定数自身での修理を行う人がいることわかった。
また、「廃棄する」と回答した人の半数が家電を捨てることに「(後ろめたさを)感じる」(50.0%)と回答。修理すればまだ使えるかもしれない家電を修理せずに廃棄してしまうことに対し、ためらいを感じる人と感じない人で意見が分かれた。
約6割が「自分で家電を修理した/しようとした経験がない」と回答
「自分で家電を修理した/しようとした経験」について質問したところ、経験がないという回答が59.5%となった。「自分で修理しない/しなかった理由」として最も当てはまるものの1位は「プロに任せた方が安心・安全だから」(39.5%)、2位は「逆にもっと壊れてしまいそうだから」(38.7%)という結果になった。
また、「自分で修理した/しようとした」経験がある人に理由を尋ねたところ、最も当てはまる理由として「修理費用を抑えるため」という回答が54.9%で最多となった。
調査概要
- 調査名:家電の修理に関する意識調査
- 調査対象:全国の20~60代 合計400名
- 調査方法:インターネットによるアンケート調査
- 調査時期:2021年9月9日~2021年9月10日