博報堂の「ミライの事業室」と「博報堂SDGsプロジェクト」は今年9月、全国の生活者を対象に「生活者の脱炭素意識&アクション調査」を実施した。
同調査結果の詳細は次のとおり。
「脱炭素」は幅広い層に浸透 若い層の関心も高い
「脱炭素」という言葉を知っている人は全体で85.4%、内容も知っている人は57.3%。「カーボンニュートラル」という言葉を知っている人は全体で77.7%、内容を知っている人は38.0%だった。
脱炭素について知っていることを聞くと、「CO2などの温室効果ガス排出量を抑え、気温上昇を2度以内に留めないと地球環境に深刻な影響が出ること」が50.8%ともっとも認知されており、続いて「先進国を中心に、国ごとに具体的な削減目標を決めて取り組もうとしていること」が42.3%と高くなっている。
脱炭素に関心があると回答した人は、全体で66.1%。特に、Z世代やシニアが高くなっている。「非常に関心がある」と回答した人も、全体25.3%に対し、Z世代は34.5%と、全体よりも9.2ポイント高い結果に。また、女性60代は34.0%、男女70代は約4割と、高い関心が持たれていることがうかがえる。
脱炭素の取り組みは「大企業や政府だけでなく、自分たちも取り組むべきこと」
「脱炭素は誰が取り組むべき課題か」をたずねたところ、「大企業」の課題だと思う(82.9%)、「政府・官公庁」(78.9%)、次いで「生活者」(67.3%)、「中小企業」(61.8%)と続き、自分たちも取り組むべき課題であるとの認識も浸透してきている。
また、「脱炭素はみんなですべきこと」と思う割合も84.4%と同様に高くなっている。
取り組めていない理由は「何をすればいいかわからない」 出費や手間がかかりそうなイメージも
日々の暮らしで脱炭素を「非常に意識して行動している」人は3.3%、「ある程度意識している」を含めても32.1%に。関心の高さに比べ、実際に取り組めている人はまだ多くない状況となっている。
脱炭素に向けた行動に取り組めていない理由は、「自分が何をすれば貢献できるのか、よくわからない」(58.1%)、「手軽に取り組めそうなものがわからない」(56.1%)、「『脱炭素社会』に関連する情報が少ない」(53.5%)などが上位となり、生活のなかで自分たち個人に出来ることが認知されていないことがうかがえる。
暮らしのなかで脱炭素を意識することは、「+アルファの出費が必要になる」(75.4%)、「面倒くさくなりそう」(67.9%)、「取り組むことで、少し不便になりそう」(66.8%)など、何かを我慢したり、手間をかけたりすることが必要そうだと感じている一方で、「誰でもできること」(70.2%)と、自分にもできるというイメージも持っていることがわかる。
調査概要
- 調査手法:インターネット調査
- 調査対象者:全国15-79歳の男女1,400名※人口の性年代構成比に基づきウェイトバック集計を実施
- 調査時期:2021年9月18日-19日
- 調査委託先:H.M.マーケティングリサーチ