aiforce solutionsは、ナノ・ユニバースなどアパレルブランドを展開するTSIホールディングスのビジネスAI活用を支援。同取り組みの第一弾として、物流管理部門におけるECの出荷量予測を行うAIモデル構築を完了したと10月18日に発表した。
TSIホールディングスは従来、出荷量予測を手作業で行っていたが、ECの需要が拡大したことなどを受けて、AI活用による現場主導のDXに向けた取り組みを実施。同社はスピード感をもって現場の課題解決を図るため、現場スタッフ自身でAIモデル構築ができることを目指しており、aiforce solutions が提供するAI活用の知識・技術習得から実践までを支援するサービス「AMATERAS DXサクセス」を導入した。
AMATERAS DXサクセスは、実践型AIトレーニング「AMATERAS EDU」とノーコードで利用可能なAIツール「AMATERAS RAY」のほかに、AIモデル構築のコンサルティングをワンパッケージにしたサービス。同サービスでは、AMATERAS EDUでAIをビジネスに適用するための基礎知識を習得した後、実際の現場課題を解決するAIテーマをひとつ選定。データサイエンティストによるコンサルティングを受けつつ、AMATERAS RAYを活用してAIモデルを構築する。
TSIホールディングスでは、同サービスにおけるAIテーマをECの出荷量に選定。第一の対象ブランドは「SANEI bd」とし、ECの出荷量予測を行うAIモデルを構築した。これにより、同ブランドにおける実際の出荷量と予測値の誤差率は16.8%となり、従来の手作業による予測誤差42.0%から25.2ポイント改善している。また、予測精度が改善したことで倉庫における人員配置の最適化が行われたほか、今後はAIによる作業自動化を推進することで、従来予測に費やしていた工数を80%削減できる見込み。さらに、同社は今回構築した予測モデルを参考に、別ブランド・別倉庫でも手作業の予測をAIで置き換える取り組みを現場スタッフ自身で実施していく。
同取り組みについて、株式会社TSIホールディングス IT戦略部 業務改革推進課 古本康大氏は次のように述べている。
「AIで成果を上げるためのポイントは、利用する我々自身がAIを使いこなすために必要な知識・技術を身につけることにあると考えています。現場スタッフが持つ業務知識とAIを組み合わせることで、課題設定・仮説検証を高速で実行し、スピード感のある課題解決を実現することが可能です。さらなるデジタルシフトを実現するため、本取り組みで得た知見を活かし、AIの活用領域を拡大させていきます」