Fleetに見切りをつけたTwitter マネタイズする新機軸を模索か
2021年8月3日に24時間で消える投稿サービス「Fleet」の終了を決めたTwitter。2020年11月の実装からわずか10ヵ月ほどで方針転換した形となる。
「Twitter社は、『Fleetによって新たに会話に参加する人の数は望んだほど増えなかったため』と終了の理由を語っています。開発費用を投じていても、ユーザーの動きが想定と異なった場合はすぐに次なる一手を考える。判断が迅速になっていることがうかがえます」
これまでFleetの投稿が表示されていた枠は今後、音声会話サービス「Space」が表示される。同サービスは2021年7月29日にSpaceからの直接ツイート機能、8月6日には共同ホスト機能の追加など、開発が強化されている模様だ。藤田さんはアメリカで5月に提供開始した投げ銭機能「Tip Jar」や、7月にテストを開始した「ShopModule」と絡めて「Twitterはユーザーのプラットフォーム滞在時間をいかに延ばし、マネタイズにつなげるかを考えている」と分析する。
「Tip Jarはクリエイター、ジャーナリスト、非営利団体など、チップを受領できるユーザーを絞り込んでトライアルを行っています。Shop Moduleも一部のブランドアカウントのみに権限が与えられていますが、前号で紹介した『Super Follows』然り、課金や支援をしたいユーザーがTwitter上で直接行動できるような環境構築が加速しています」
また、Twitterは2021年7月1日に「NFT(Non-Fungible Token)」を140人に無料で配布する試みも実施。偽造不可な鑑定書・所有証明書つきのデジタルデータであるNFTは、デジタルコンテンツの新たなマネタイズ手法として注目を集めているものだ。
「デジタルコンテンツはいくらでもコピーを作ることができると思われていますが、NFTが普及すれば作品に唯一性を見出すことができます。上手に活用すれば、デジタル企業のブランディングや形なきものに価値を見出す術としても定着するでしょう。Twitterがこうした取り組みを行うのも、次なる施策の前触れかもしれません」