セレブも着用する時代 変化するストリートウェアのポジションと影響力
空港にスウェットで行く人は多くいます。しかし、アメリカの女優 セレーナ・ゴメス氏が2019年11月初め、ロスに戻るためにニューヨークのジョン・F・ケネディ空港に現れたとき、彼女のカジュアルな服装がトップニュースとなったのはご存知でしょうか。彼女は、オレンジ色のパーカーに身を包み、足元は真っ白なプーマ、そして「Support your friends(友達を応援しよう)」のロゴが入ったネイビーのスウェットパンツを履いていました。
セレーナは、高級ストリートウェアブランドのデザイナーであり、元彼であるサミュエル・クロスト氏を応援していたのでしょう。手頃な価格で社会問題を意識したこの服の収益の一部は、銃規制を求め2018年3月に行われた「March for Our Lives」の活動に寄付されています。そして彼女が肩に引っかけていたのは、完売した「ルイ・ヴィトン」のOnTheGo(オンザゴー)バック。高級さとカジュアルをミックスしたファッションは、トレンドを取り入れたスタイルでした。
ライフスタイルメディア「POPSUGAR」によると、セレーナ氏は最近「遊び心で着崩したファッションを楽しんで」いるとのこと。ストリートウェアブランドを身に着けるファッション志向のセレブが増えているようです。快適さと高級感を兼ね備えたファッションは、それがマスマーケットに着心地の良さと本物志向をもたらしたという点において、今日のファッション業界でもっとも破壊的な力のひとつと説明しています。
ルイ・ヴィトンと「Supreme」の重要なコラボ、レブロン・ジェームズのスポーツストリートウェア「UNKNWN」とトム・ブラウンのコラボ、ニューヨーク・タイムズ紙とブルックリン地区発のストリートウェアブランド「KNICKERBOCKER」のポップアップコラボなど、もはや「グラフィックTシャツはイタリアンレザーよりも価値が高くなってきている」というところまで到達しました。
世界のアーバンストリートウェア市場は、2015年に約1,750億ドル、アメリカだけでも800億ドルと推定されます。現在では、巨大市場となっているのです。
いったい何が起こっているのでしょう。この記事では、現代の小売業界におけるストリートウェアのポジションと影響力について知っておくべきことを説明します。