画像検索ができるLINEのショッピングレンズ、リリースから2ヵ月
「LINEショッピング」内の画像検索機能「ショッピングレンズ」に関連して、LINEでは事前にユーザーにアンケートを行っている(対象:全国 10代~50代の男女スマートフォンユーザー、最終有効回答数:1,056サンプル)。
「洋服を探している時に、イメージしていた商品が見つからない(見つけるのが難しい)経験がありますか?」という問いに対して、10代~50代の女性の9割が「ある」と回答。また、10代、20代の女性においては、約6割が「ほしい洋服やコーディネートをカメラで撮ったりスクリーンショットをした経験がある」とのこと。
こうした課題を解決する目的でリリースされたのが、ショッピングレンズだ。カメラボタンを押して「写真を撮る」もしくは「アルバムから選択」から選び、画像をアップロードすると、類似アイテムを表示してくれる仕組みだ。
サービスリリースからおよそ2ヵ月、ユーザーにはどのように利用されているのだろうか。LINEのO2O事業室 保田昌彦さんに聞いた。
――リリースから2ヵ月、ユーザーの利用動向を教えてください。
保田(LINE) ショッピングレンズリリース後、LINEショッピングの検索利用数が1.3倍に上がっています。内訳を見ると、通常のテキスト検索は横ばいで、ショッピングレンズでの検索がオンしている形です。リリースから累計5万ユーザーが、ひとりあたり3回、ショッピングレンズを利用して画像検索している計算です。男女別に見ると、女性ユーザーが7割を占めています。
世代別に見ると、検索されている商品ジャンルは異なります。20代は男女ともにファッションがいちばん多く、30代は男性だとインテリアとAV機器、女性だとビューティー系やベビー用品、40代は男性だと本雑誌、車、バイク用品、アウトドア、女性だとビューティー系、健康系、キッチン日用品といった具合です。
ショッピングレンズユーザーの7割が、自分の携帯から写真をアップロードしています。おそらく雑誌やSNSの投稿をスクリーンショットしておいて、アップロードしていると考えられます。
――長らく、検索といえばテキストが定番でした。しかしファッションのようなジャンルは、検索ワードが思いつかなかったりしますよね。たとえばチェック柄ひとつとっても、いろいろありますし。
保田(LINE) ショッピングレンズで検索されるジャンルでもっとも多いのがファッションで、7割を占めています。おっしゃるとおり、思い描いている柄、テイスト、デザインをテキスト化するのはなかなか難しいため、ショッピングレンズがお役に立っているのではないかと思います。
また、気に入ったアイテムのスクリーンショットをとってあるということは、ユーザーが欲しいアイテムのイメージがある程度固まっているということです。検索結果に表示されるアイテムが絞り込まれますから、本当にユーザーが欲しいものにヒットする可能性が高いわけです。テキスト検索で探した場合、検索結果に表示されるアイテムが多すぎるという経験をしたことはないでしょうか。そこからまた、自分の手で絞り込んでいく必要がありますよね。
これはコンバージョンにも反映されていて、LINEショッピング内では、テキスト検索よりもショッピングレンズを利用した検索のほうが、コンバージョン率が1.2倍高くなっています。また、LINEショッピングから企業様のサイトに遷移する時間を測ってみたところ、ショッピングレンズのほうが1分早くなっていることがわかりました。ショッピングレンズにより、検索の効率が上がり、お客様の意思決定も早くなっていると考えられます。
LINEショッピングに出店いただいている企業様にとっては、見つけやすさやコンバージョンアップのほかにも、テキスト検索だけでは生まれなかった、ユーザーとアイテムの新しい出会いがあるのではと思います。
――画像検索が利用できるECサイトはいくつかあります。ショッピングレンズとの違いはありますか?
保田(LINE) LINEでは、ショッピングレンズで検索していただいた場合には、必ず何か、検索結果としてお返しするようにしています。白い紙をアップロードしていただいても、白い布であるとか、何かしらの商品が表示されます。サイトによっては、「該当するアイテムはありません」といった検索結果0件のものもあるようです。LINEとしては、何かしら似た商品を表示することで、商品の購買機会が増えるのではと考えています。
これは比較にはならないかもしれませんが、私自身の体験でショッピングレンズの精度の高さを感じました。あるデジタル一眼カメラの最新モデルが欲しいと、カタログを撮影してアップロードしたところ、ほしかった商品がダイレクトに表示されました。この精度の高さを、一度試していただきたいです。
――今後の展望を教えてください。
保田(LINE) まだまだショッピングレンズの認知が足りないと思っています。ユーザーの皆さんにもっと知っていただき、使っていただけるよう努めてまいります。
検索といえば、スマホに話しかける音声検索も画期的ですが、ワードは自分で考えなくてはならないんです。つまり、打ち込むという作業が効率化しただけであって、ユーザーとアイテムの出会いは、テキストを入力する検索と同じでしょう。ショッピングレンズのような画像検索がECの検索の主流になると、購買行動そのものが変わると思います。検索が苦手なユーザーでも、ショッピングレンズを使うと欲しいものにたどり着ける可能性が高くなるのではないでしょうか。
――ありがとうございました。