記事種別

[韓国越境EC成功物語]SNSフォロワー数30万人、日韓の女性ユーザーの心を掴んだ「ガールズルール」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • プッシュ通知を受け取る
2017/12/20 11:00

 韓国は、全国にわたる高速インターネット網の構築や高いスマホの普及率などで小売産業のEC化が進んでいて、事業者によるEC起業が非常に活発な状況です。最近では、地理的、文化的に近い日本市場に向けて「越境EC」に取り組む事業者が増え、若年層の注目を集めるケースも増えつつあります。本コラムでは、韓国のグローバルECプラットフォーム「cafe24」を通じて開業したユニークな韓国の越境ECショップを紹介したいと思います。

SNSフォロワー数30万人、日韓の女性ユーザーの心を掴んだ「ガールズルール」

 最近、派手なビジュアルやパフォーマンスなどで「K-POPアイドル」に憧れる日本の10代が増えています。これを機に、彼らのようなアイドルが好む「韓国ファッション」への関心も高まっているようです。

 レディースファッションを手がける「ガールズルール」は、韓国が好きな日本の10代を中心に根強い人気を集めています。同社は、韓国ブランドに対する日本の若年層のニーズが少しずつ目立つようになった2014年、日本市場に本格参入しました。

 ガールズルールを率いる金ヒジンCEOは、自然な人生の流れで日本語のECサイトを開業したと言います。彼はワーキングホリデーで日本語を身に着け、韓国に帰国後は、日本アパレル企業の韓国取引先に勤務しながら日本の市場分析に取り組みました。そのころ「cafe24」は、越境EC向けサービスに力を入れ始めた時期でした。

 「事業を始めた当初、友人の日本人ブロガーと一緒にブランドの認知拡大に取り組みました。また『リーズナブルな価格』や『オルチャンファッション』などのキーワードを活用したマーケティングを行ったことで、自社サイトへの流入増加にも繋がりました」(金CEO)

コンビニの後払い決済導入で、売上が80%増加

リピーター確保やブランド力向上にSNSを積極的に活用している
リピーター確保やブランド力向上にSNSを積極的に活用している

 ガールズルールで最も人気のあるアイテムは、「マンツーマンTシャツ」です。K-POPアイドルが好んで着る同アイテムとミニスカートを合わせたコーディネートは、とても反響があったと言います。「オーバーフィットジャケット」などを含め、2,000円〜6,000円ほどの手頃な価格設定が、コスパを求める10代の日本人ユーザーから支持を得た要因だと同社は考えています。

 偶然ガールズルールのサイトにたどり着いたユーザーからの評判の高さは、SNS上でも顕著に表れています。同社が運営する日本語のTwitterフォロワー数は17万人を超え、Instagramのフォロワー数やLINEの登録者数はそれぞれ7万人、5万人と、SNSの登録者は全体でおよそ30万人にのぼります。

 また、日本の市場動向にあわせた決済システムの導入も、売上増加に効果的だったと言います。ターゲット層がクレジットカードをあまり持っていない点に着目し、コンビニ後払い決済を導入しました。その結果、コンビニ後払い決済を導入した直後は、売上が80%増加しました。

 このようにガールズルールの口コミはネット上で徐々に広がり、店舗出店に関する問い合わせが相次ぐようになりました。最近では、「渋谷109」のポップアップストアもオープンしました。2017年11月初旬から2017年12月末までの期間限定の店舗となっており、ガールズルールの認知度向上に拍車をかける予定です。

人気商品に違い 日韓ユーザーの両方を満足させる商品開発に注力

 ここからは、ガールズルールの金CEOとの一問一答をお届けします。

K-POPなど韓国文化を楽しむ若年層のニーズを捉えた商品も提案

K-POPなど韓国文化を楽しむ若年層のニーズを捉えた商品も提案

――――日本での展開を決めたきっかけを教えてください。

日本で生活をしながら日本語を勉強していたため、日本市場へのアプローチはそこまで難しくありませんでした。韓国に帰国した後は、日本アパレルブランドと取引のある企業で、通訳、商品生産や出荷など様々な経験を積みました。それと並行して、日本のファッショントレンドの研究も続けていました。

また、K-POPや韓国人アイドルの影響で、韓国文化を楽しむユーザーが30代〜50代の層だけでなく、10代~20代にまで拡大されていることに注目し、日本に向けて韓国アパレルの販売を決めました。

――ECサイトにおける日本と韓国の違いは何かありますか?もしあればその違いの理由もお教えください。

人気商品に違いがあると分析しています。韓国で売れても日本では売れないこともあれば、逆の場合もあるため、日韓ユーザーの両方を満足させる商品開発に力を入れています。

また、日本で手軽に購入できるアイテムより、弊社ならではのオリジナル商品のほうが販売率が高いです。これは、日本を含む海外のユーザーは、自国メーカーが扱っていない商品を購入する傾向が強いからだと考えています。また決済システムの利用にも差があり、韓国はカード決済の割合が高いですが、日本はコンビニ後払い決済など、現金決済の割合が高いです。

SNSマーケティングに注力、今後はリアル店舗の出店も

――――注力している販促施策はなんですか?

今はSNSによるマーケティングに力を入れていますが、今年11月に期間限定でオープンした「渋谷109」のポップアップストアを皮切りに、東京、大阪、鹿児島、名古屋などでリアル店舗を通じたマーケティングも今後は展開していく予定です。

ユーザーとの接点を増やすことで、ブランド認知や顧客満足度向上にもつなげたいと思っています。また、より多くのユーザーが安心してガールズルールのサイトで商品を購入するきっかけにもなれば嬉しいです。現在は日本国内における配送システムの構築も検討しています。

――自社ECサイトに特化している理由を教えてください。

10代〜20代を対象に安価な商品販売を展開しているので、ECモールに出店すると、商品のクオリティをあげることよりも、手数料やその他経費などで価格競争に陥る恐れがあると考えています。また、自社サイト運営で培ったノウハウで日韓のロイヤルユーザーが徐々に増加しているので、長期的なブランド戦略の一環としても自社サイト運営に注力する予定です。

――Instagram投稿のような自撮り風の画像や、モデルさんの可愛さがまとめサイト上などで話題になっていましたが、サイト全体や商品画像の見せかたにこだわりはありますか?

日本若年層の特徴を踏まえ、iPhoneを利用した多数の自撮り風画像を掲載
日本若年層の特徴を踏まえ、iPhoneを利用した多数の自撮り風画像を掲載

韓国文化を楽しむ若年層が好むようなモデルを起用し、商品撮影を行っています。自撮り風の詳細画像は、サイトにアクセスするユーザーに、より身近でリアルに商品を伝える効果を狙っています。

また、デジカメやiPhone両方を利用した画像が多いのも特徴のひとつですが、とくにiPhoneの使用率が高い日本のユーザーが日ごろ見慣れている画像やイメージも、支持を得ている要因だと思っています。

まとめ

 ガールズルールの金CEOは、日本で生活しながら覚えた語学力や研究を重ねた市場動向に基づき販売を行った結果、SNS全体でTwitterやInstgaramのフォロワー、LINEの登録者数は合計でおよそ30万人となりました。

ターゲット層の支払い傾向を考慮した決済システムの導入や、「渋谷109」のポップアップストアオープンなど、徹底した日本戦略に取り組んでいるガールズルールの次の一手に注目です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • プッシュ通知を受け取る
All contents copyright © 2013-2019 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5