1.ランキングや商品のオススメなど粗いレコメンドを導入する
今回は実際にどうやってレコメンドを導入していくか、そのステップについて解説してみたいと思います。
もちろん、ゼロスタートが誇るレコメンドエンジン「ZERO-ZONE Recommend」を最初から導入してもらえるととても嬉しいですが、ここはあえて一般的なアプローチについて考えてみます。
基本的なアプローチは、まずは粗いレコメンドからはじめて、徐々に細かいレコメンドを導入していく、というものです。
最も粗いレコメンドは、いつ誰がアクセスしても同じオススメがでるというものでしょう。たとえばランキングやショップが自信をもって仕入れた商品のオススメがこれにあてはまります。
2.やっぱり「協調フィルタリング」は使ってみる
これまでの連載で、いかに商売に役立てるかが重要で、必ずしも最新の手法が最適とは限らないということを述べてきました。ランキングや商品のオススメのような粗いレコメンドで効果が出るのであれば、それはそれでいいのです。
とはいえ、やはりレコメンドといえば「協調フィルタリング」(詳細は第3回を参照)。導入してみたいところです。レコメンドエンジンを導入しなくても、エクセルで計算することも可能です。「相関係数 エクセル」で検索すれば、いくつもやりかたが出てきます。
入力する値については、とりあえず1と0だけでも相関の計算は可能です。ユーザーを縦軸、商品を横軸(逆でも良いですが)にして、購買履歴があるところには1、ないところには0を入れていって計算した結果から、良さげなところをピックアップします。
この「良さげなところ」というのが曖昧ですが、これは「これだ」という数値の範囲がないので試行錯誤するしかありません。たとえば、商品AとBの相関が1となったら、商品Aの詳細ページで商品Bを紹介しておくと「良いかも」しれません。
ただ相関が1だと、相関が高すぎてユーザーが「すでに知っている」可能性が高いので、気づきを得られる可能性は低いといえます。反面、合わせ買いする可能性が高いので、ユーザーからするとUXとして利便性が高くなるとも言えます。
Amazonでいうところの「よく一緒に購入されている商品」にある「2つとも(3つとも)カートに入れる」機能などがこれに当たります。0.6~0.7あたりが一般的にはユーザーからすると気付きを得られてかつ好意的に受け止められる可能性が高いかもしれません。
とりあえずエクセルだけあればできるので、テスト的に導入して効果をみるにはいい手法だと言えます。また、この段階で溜まったノウハウは、いずれレコメンドエンジンを導入した場合にも活かすことができます。