最終回だからもう一度強調したい、レコメンドの本質
これまで「あまりITに強くないネットショップオーナーさん向け」に、レコメンドの導入について解説してきました。
連載の本質は、第1回のまとめとして書いた、
つまり、あくまで「商売における消費者への商品のオススメ」が目的であって、相関によるレコメンドはその一手法にすぎない、もしかしたら違う手法(この場合は同じシリーズの新製品をオススメする)が有効なことも十分あるのです。こうしたレコメンドというか、オススメのそもそもの目的、原則をないがしろにしていては、いつしか目的と手段がひっくり返って、的を射たレコメンドというのはできなくなってしまうでしょう。
という部分です。
あくまでも「良い商品をユーザーにマッチングする」という、基本の大原則を常に念頭に置くことが重要です。
本質的なレコメンドのために必要な3つの要素
そのために必要なのは、商品知識、ユーザーの把握、マッチングのセンスの3つです。
「レコメンドとはそもそも商品のオススメです」と、この連載でも何度か書きましたが、こう考えてみてはどうでしょうか。
オススメの中でも、商品知識「だけ」にもとづいたのはレコメンドとは言わなくて、ユーザーの嗜好を把握して行うマッチングが「レコメンド」である。
ECであろうがリアルの店舗であろうが、商品知識が重要なのは大前提です。商品を販売する側の責任とも言えるでしょう。商品知識を得るということについては、オンラインとオフラインの間には差はありません。
一方で、「ユーザーの嗜好を把握するという点においてはオンラインとオフラインには大きな隔たりがある」と言えます。良い悪いというよりも、「違う」という感じです。
オフラインと比較した時に、オンライン(EC)においてはユーザーの嗜好を把握することについては「強み」もあれば「弱み」もあります。
その強み弱みを補完して埋めようとするのが、最近大流行している「オムニチャネル」という考えかたの1つの側面だと思います。しかし、ECのみ展開しているネットショップの場合には、「ECならではのユーザーの嗜好の把握の強みを最大限に活用する」ことを考えるべきだと言えます。