ブランディングのために、あえて不便にリニューアル
――サイトリニューアルをされたばかりということですが、どういった目的で?
「これまでは、とにかく『しゃれふん』に関する情報を詰め込んだネットショップでした。今回は、オフィシャルサイトとしてリニューアル。ネットショップを超えて、もっと全国に広めていくためのステップとして、ブランディングと言ったらかっこよすぎますけど、ほかのアパレルブランドに負けないようなイメージにしたいと考えました。
ネットショップへの動線は、オフィシャルサイトをワンステップかませてからなので、そこで離脱してしまう人も多く、効率が悪いかもしれない。でも、それよりもしゃれふんのブランドを高めるために、あえて、です」
――リニューアル前のサイトも外注しながら、かなり自分で直されたとか。こだわりがあるんですね。
「出てきたのが、モールによくあるデザインというか、『オンラインショップってこうやろ?』みたいなありきたりのサイトだったんで、自分が好きなSoup Stock TokyoとかDEAN & DELUCAとか、そういう方向に持っていったんです。
僕はそもそも、モールには出店しないと決めています。僕のお客さんは『ふんどし 通販』で検索する人じゃなく、最初から『しゃれふん』で検索してくれる人なんです。だから、SEOとか考えてないです。
だって『ふんどし 通販』で検索したら、Amazonでは500円からありますから。『ふんどし 通販』で検索してくる人を取り込もうとすると、どうしても値段の競争になるので。パイは狭くなっても、『しゃれふんが欲しいんだ』っていう人を増やしていく。そのために表に出るのが僕の仕事です」
――ふんどし協会の会長であり、百貨店でふんどしフェアも開催。ネットショップ店長の枠におさまるつもりはなさそうですが。
「ふんどし協会では、2020年までに日本人全員がふんどしを1着は持っている、というのを目指してますから。しゃれふんだけ売れればいいというのではないんです。
ふんどし人口を増やすためには、既存のメーカーを全部巻き込んで、ふんどしの良さを啓蒙する協会を作る。はじめ3年間は、ふんどしというキーワードをじわじわ広げていって、メディアに取り上げられて、百貨店等のフェアで成功させていって、『なんか、ふんどしって流行ってるな』という方向に持っていく。そうなると、ある時一気にふんどしが売れて、しゃれふんも売れる。そのある時が、今年2014年のクールビズじゃないかって。そのつもりでずっと、仕込んできたので。
今年の秋冬くらいから、どうやって世界に行こうかなと考えてます。そのためにマスに入れているんですよね。あのマスは、ポール・スミスも気に入って、ロンドンの自分の店に置いたりしているらしいですよ」