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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

「持続的な購入」を目指すCRO

中小ECのスマホショッピングアプリ、使い続けてもらうための4つのブレイクスルー

そもそも、なぜアプリなのか

 「ECで提供しなければいけないのって、商品情報と決済だけですよね。Amazonもそうでしょ。うちのテンプレートを利用すれば、ベスト・プラクティスでお安くアプリが提供できます」なんていう営業トークにだまされてはいけません。

 そんなモノをわざわざダウンロードする人はいません。

 PCの世界では、かつてインストール型のアプリばかりだったのに、すっかりウェブ型が主流になってしまいました。そこにはウェブのほうが都合の良い理由があって、大なり小なりスマホにも同じことは言えます。

 そのうえで、改めて、アプリである必要性を考えてみます。突き詰めると、以下の3項目です。

  • カメラとマイク(が持ち主に常に寄り添っている)
  • 位置情報(GPS、WiFi)
  • 加速度計(動き検知)

 GPS、カメラ、マイク、加速度計、温度計などのセンサーがユーザーの置かれている環境を感知し、気象、渋滞、SNSなどの情報を取得し、買物客の行動パターンに照らして、今どんなコンテンツを欲しているか予測します。

 そういうことを煮詰めていくと、アプリに至るのが自然な流れ。逆に言えば、そこまで煮詰めないスマホアプリは生き残れません。「KY」を長く「空気嫁」だと信じていた私が言うのもなんなのですが、「空気の読めない」アプリは不要です。

 今のところ、これらを駆使していないモール系アプリが成立するのは、何より絶対的な品揃えがあるからです。つまり、利用頻度が高いゆえであり、専門店など一小売業とはわけが違います。市井の買物客として実感するとおり、頻繁に利用するAmazonと比べて、稀にしか買物しない専門店のアプリをダウンロードする動機はないに等しいのです。

それでも、スマホアプリが席捲する

 スマホからの購入比率が上昇する以上に、アプリの利用率が飛躍的に上昇しています。冒頭で述べたとおり、アプリには大きな動機と習慣的な購買行動が約束されています。まずは、モール系のアプリがその威力を劇的に発揮し牽引しています。

 楽天市場のアプリ経由流通総額は、2015年度第4四半期で前年同期比+105.1%と、2倍以上の伸びを示しています。国内ECのそれが+10.9%(楽天トラベルを除くとおそらく横這い)に留まっているにもかかわらずです。

 本来、PC/Webとの決定的な違いは、『あそこで買った』という強い意識です。そもそも、Amazonで買ったのか楽天市場で買ったのかでさえ忘れがち。かろうじて、「Amazonで買った」ことを覚えていても、ほとんどの買物客はどの出店者から買ったなんて、後々まで覚えていません。つまり、リピータになってもらえる可能性の極めて低いのがモールであり、それはアプリも変わりません。

 そこを考えると、テナントの立場にとって、アプリのブックマーク機能には大きな意味があります。少なくとも、大家さんの考えが透けて見えます。

主要モール系アプリのブックマーク機能

マーケットプレイス Amazon.co.jp 楽天市場 Yahoo!ショッピング
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本店(独自ドメイン)のアプリに欠かせない突破口

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この記事の著者

株式会社インフォプラス マーケティングソリューション部 シニアコンサルタント 佐藤英俊(サトウ ヒデトシ)

インフォプラスでは、カジュアル担当。衣料品産業専門ということではなく、人間が形式ばっていないという意味である。「ABテスタ」の生みの親でもあり、モノ作りや新規事業に経験が深い。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/2839 2016/03/28 08:00

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