進むオムニチャネル、出てくる売上計上と評価のモンダイ
2015年は、オムニチャネルが小売企業などの間で一段と浸透してきて、実店舗とECとの連動性を高めていく動きや、それに対する情報収集が活発になった年だと考えています。
2016年は大企業だけでなく、中小企業での取り組みも一段と活発になっていくはずで、さらに注目度を増していくでしょう。
それを受けてか、先日あるセミナーでこういった質問をいただきました。
「オムニチャネルを導入して『EC購入→店舗受取』のような場合、売上はどのように計上しているのでしょうか? また、もともと店舗のお客様がECで購入された場合、実店舗の売上がECへ移ってしまい、店舗スタッフのモチベーションが下がりそうですが、どのように説明しているのでしょうか?」
実店舗がある企業としては、解決していかねばならない課題です。最初に言っておきたいのは、この課題に対して、ECに携わる皆さんが神経質すぎるのでは?と感じています。
今回は、メガネスーパーの現状や、なぜそれに至っているかの経緯、そして目指す方向をご紹介します。我々も過渡期なので、参考になればと思います。
ECと実店舗での実績をどう分けるか、メガネスーパーの場合
現在、メガネスーパーの自社ECを経由して、実店舗での対応が必要になる施策は、下記の2つのパターンです。
- EC購入商品の店頭受取り
- メガネフレームはECで購入して、レンズは実店舗でつくる
それぞれのパターンに対しての売上実績や評価のつけかたは次の通りです。
売上 | 評価 | |
---|---|---|
1.店舗受け取り | EC | EC |
2.フレームはEC レンズは実店舗 |
EC | 実店舗 |
現時点では、売上実績は決済基準、評価は購入のための接客の有無を基準としています。この2つのサービスや対応は、自社ECのお客様の利便性を高めるために実施しているということ、また、社内的にはこの取り組みによるPOSや基幹システムを改修しないことを前提として始めています。
システム改修して仕組みを整えてからやるのは正論ですが、初期段階での効果を見たいのに、大幅なシステム投資はリスクが高いからです。目の前の利益を優先するのであれば、このやりかたがベターだと判断しています。
では、2つの対応について、それぞれ補足します。