SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

最新イベントはこちら!

ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

ECホットトピックス

自社ECのプロになるため、知っておくべき「流れ」とは JECCICA 代表理事 川連一豊さんに聞く


2015年9月3、4日に開催、自社ECのプロフェッショナルを育てるためのセミナー「2日でわかるEC構築・運営基礎講座」。1日目のトップバッターとして「Eコマースの振り返り、今、そして未来」を担当する、JECCICA 代表理事 川連一豊さんにお話をうかがいました。

自社ECのプロになるため、知っておくべき「流れ」とは

――今回のセミナーは、「自社ECのプロフェッショナルを育てる」をテーマに開催するのですが、最近、コンサル等に入られて、自社ECのプロは育っている状況でしょうか?

直近だと、なかなかいらっしゃらなくて、手取り足取り教えてほしいという依頼が多いです。加えて、EC事業部を作って組織でやろうとすると、「商品調達はどうする」「売れ過ぎたら配送はどうする」といった具合に、リスクばかり考えてしまって進まないことが多いです。私は「最初は売れませんから安心してください。とにかく一度、ECを立ち上げましょう」と申し上げるんですが。在庫がなくなったら「在庫切れです」と書けばいいだけですからね。

――オムニチャネルでもよく言われますけど、トップダウンで指名するとうまくいく?

組織でモメている場合よりは進みますが、トップから「君がやってくれ」と指名されても、「なんでオレが」という担当者なら、当然進みません。それよりは、社長が外部から引き抜いてくるほうがうまく立ち上がりやすいですね。そういう企業さんを実際に知っていますが、すでに150名くらいの体制になっていました。

トップダウンで進めていく場合も、組織の話と逆行するようですが、2人くらいの立候補があるといいと思います。1人だとよほどやる気がある方でないと、モチベーションが維持できないようです。

――自社ECの立ち上げで、一番難しいのはどこですか?

やはり「戦略」です。単に商品をサイトに掲載しただけでは売れませんから、会社全体におけるECの立ち位置を決めて、どういう戦略でこれから進めていくか。それからユーザーをどうやって集めるか、商品戦略はどうするか、個別の戦略も考えていかないと。

考えておく必要はあるんですが、一方で、それをマジメにきっちり書きすぎる人はうまくいかないようです。6割がたで、ざっくりこれで行こうと決めて、サクサク進めていったほうがいいと思います。

――多くの企業の自社EC担当者がそういう状況であることを踏まえて、川連さんのパート「Eコマースの振り返り、今、そして未来」ではどんなお話をしていただけますか?

ECの歴史をふまえた、全体観ですね。自社ECの方向性を示した上で、個別に、企業としての戦略を考えられるようにしたいと思います。

一部ポイントを紹介すると、やはり「スマホ」と「ソーシャル」が無視できなくなっていること。実店舗も含めたお店選びが、手のひらの上のスマホと、そこに流れてくるソーシャルの情報で決まってしまう。これはすごく大きいですよね。

また、ECは最終的には小売ビジネスなので、「One to One」になるはずだということ。これまでのECは、ユーザーをできるだけたくさん集めてメールマガジンを発行する、商品ページを大量に作る、といった施策ばかりで、One to Oneが置き去りになっていました。技術的にできなかったというのもあります。それでも、ECが小売ビジネスだとわかっている人たちは、なんとかやろうとしていたんですよね。

そして、集客からコンバージョンまで、ウェブ上でのお客様の流れをきちんと分析すること。これは、実店舗を先にお持ちでECに取り組もうという企業さんに多いのですが、POSレジで、購買データがあるから、それさえ分析すればいいと思いがちです。しかし、ECから始めている人たちは、集客の窓口からショップ内の行動、そしてコンバージョンまでの流れをバリバリ分析して、次の施策につなげています。こう申し上げると、いきなり「ビッグデータだ」となってしまいがちなのですが、そこまでいかなくてもいい。リスティング広告やGoogle アナリティクスでの分析を、本当にやりきれているところって少ないじゃないですか。

――実店舗をお持ちの企業さんのお話が出たところで、EC専業の事業者さんの今後はどうしたらいいでしょうか。川連さんのIRCEのレポートで、オンラインのみの事業者の成長度合いがマイナスになったという記述がありました。

悩みどころではありますが、ショールーミングの役割だけでもいいので、リアルな接点を持つことではないでしょうか。百貨店の催事場でも、事務所と兼ねるでもいいと思います。もちろん最初はコストセンターですから、うまく考える必要ありますけれど。そして、テクノロジーの導入は、実店舗を持つ企業よりもさらに積極的に。ここはアメリカに完全に負けているところで、投資額が少ないと思います。

――「2日でわかるEC構築・運営基礎講座」に申し込もうかと思っている人たちに、メッセージをお願いします。

なかなかかっこいいことが言えないのですが、ECの流れ、全体観を把握しておくことは非常に重要だと思います。把握するためには、経営者の方がよくおっしゃいますが、歴史を学ぶことが役立ちますので、私のパートではそこを重点的にお話ししたいと考えています。

――ありがとうございました。

あなたを自社ECのプロに育てる!「2日でわかるEC構築・運営基礎講座」

ECの歴史からデザインまで、12人のその道の専門家・人気講師が集結し、2日をかけてあなたを自社ECのプロにするための土台を作ります。ぜひ、ふるってご参加ください。

★★★「2日でわかるEC構築・運営基礎講座」の詳細・お申込みはこちら★★★

●1日目
◎Eコマースの振り返り、今、そして未来/JECCICA 川連一豊
◎自社ECサイト構築の流れ、失敗しないディレクション/パルコ・シティ 唐笠亮
◎おさえておきたいモールの基礎知識/日本ECサービス 清水将平
◎ポイント業界最新動向/ポイ探 菊地崇仁
◎広がりをみせるEC決済サービスのポイント/TIプランニング 池谷貴
◎ロジスティクス戦略実践編/スクロール360 高山隆司

●2日目
◎EC事業を拡大するための広告活用/DAC 谷垣宏一
◎顧客とのつながりを作るメールマーケティング/ラクス 芹澤はずき
◎スマホ売上UPのちょっとしたコツ50連発!/モバイルコマース 飯野勝弘
◎ソーシャルメディア(仮)/アライドアーキテクツ 藤田和重
◎データから確実に施策を導き出す方法/TUKURU 石川森生
◎ユーザーとの対話によるアップデートを前提としたデザイン/フラクタ 河野貴伸

★★★「2日でわかるEC構築・運営基礎講座」の詳細・お申込みはこちら★★★

 

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
ECホットトピックス連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

ECzine編集部(イーシージンヘンシュウブ)

ECZine編集部です。ネットショップ運営に役立つ情報をお届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事をシェア

ECzine(イーシージン)
https://eczine.jp/article/detail/1991 2016/01/18 14:07

Special Contents

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

2024年8月27日(火)10:00~19:15

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング