実践から得た成功の秘訣と学び
━━今回の取り組みを通じて得られた学びや知見、そしてTikTok Shopの活用を検討しているEC担当者へのアドバイスをお願いします。
王 今回の事例は、消費者と企業、双方にとって新しいショッピングモデルを提示できたと考えています。成功の鍵は、徹底した事前準備と周到な連携にあります。今回のLIVE配信が成功したのも、2カ月前からIZULCA様と弊社で詳細な企画やリハーサルを重ねてきた結果です。
そして、EC担当者に注意していただきたいポイントとしては、一気に注文が急増したときの対応です。BtoB企業様にとっては、小口多量のBtoC注文の急増に、これまでの発送体制では対応しきれないという問題が発生する可能性があります。販売機会を逃さず、お客様の期待に応えるためにも、発送対応まで含めた万全な体制構築が重要です。
榎原 地方創生というテーマで見たとき、TikTok Shopは非常に有用なツールだと確信しました。しかし、TikTokのユーザーボリュームとプラットフォームの力を最大限に活かすためには、TikTok Shopの担当者の方との連携が不可欠だと、今回の取り組みを通じて感じました。
私たち単独では、GMV Maxの効果的な運用方法やクリエイティブのトレンド、ユーザー層の分析といったノウハウがまだまだ不足しています。事前の準備段階から、情報共有や戦略策定を密に行うことで、今回の成果につながりました。いかに密に連携し、PDCAを回していけるか、スピード感を持った対応ができるかが、今後のTikTok Shop活用のアドバイスになります。
木村 地方のサプライヤーとして最も気を付けたいのは「信用」です。SNSやプラットフォームは良いことも悪いことも瞬く間に拡散されます。TikTok Shopでは「発送まで3日以内」などのルールがあり、私たちはその原則に従い、1件1件の注文を丁寧かつスピーディーに対応することを徹底しました。ここでの信用構築が、今後の販路拡大につながると考えています。
TikTok発の地方創生を拡大していく
━━最後に、今後のTikTok Shopの活用や、地域経済の活性化に向けた展望についてお聞かせください。
榎原 まずは、今回の豊岡市の成功事例を基に、より多くの自治体や地方ビジネスを営む企業様からお声がけをいただいています。この実績を活かし、さまざまなエリアで地方創生の仕掛けを展開していきたいと考えています。地方の優良な特産品とユーザーをつなぎ、地方経済のデジタル化を推進していきます。
木村 今回の成功で、私たち但馬米穀が長年抱えていた、東日本への販路拡大という課題に活路を見いだせました。今後は、今回のようなショッピングLIVEも継続しつつ、、TikTok Shopを主軸としたBtoC販売を安定化させ、全国のお客様に継続的に商品を販売していきたいと考えています。
王 IZULCA様はTikTok Shopの公式認定パートナーとして、今回非常に大きな成果を出されました。TikTok Shopとしては、今後もこのような公式認定パートナー様と手を組みながら、LIVEとショッピング動画、そしてGMV Maxのような広告ソリューションを効果的に融合させていきたいと考えています。
兼田 TikTok Shopに可能性を感じて出店を検討される企業やブランドは今後増えていくと思いますので、そういったお客様に対しGMV Maxをはじめとした広告ソリューションを提案していきたいです。広告があるとないとでは売上などの成果も大きく変わってきますし、コメントなどの反応にも変化があります。今後はコメントなどの反応をもとにクリエイティブの方向性を変えていくなど、さらなる改善につながる施策を広告主様、代理店様と作っていきたいです。

