運営する越境ECサイトの言語レベルは? 改善に向け意識したい三つの「ない」とは
国内EC以上に「継続は力なり」という言葉が似合う越境ECだが、自身で課題を見つけようにも、売上(受注数)が少ないがゆえに「顧客像が鮮明にならない」「何が不足しているのかわからない」と悩む人も中にはいるだろう。そこで徳田氏は「まずは三つの“ない”を意識してみてはどうか」と提案する。
- 集客が足りていない
- 接客が足りていない
- 言語表現が正しくない
「意外と見落としがちなのが、三つ目の『言語表現が正しくない』です。私は、言語表現が正しくないECサイトのまま闇雲に広告費を投じるよりも、その資金をネイティブに馴染む言い回しや表現に整えるために使うことをお勧めしています。そのほうが、後に行う広告・SNS施策の反響を高めやすくなるからです」
世界へボカンでは、支援する越境ECサイトの方針策定をする際に、サイト内の言語表現レベルを次の6段階で評価しているという。
- LEVEL1:日本語の直訳、もしくは非ネイティブによる翻訳
- LEVEL2:自動翻訳
- LEVEL3:ChatGPTなどを用いたAI翻訳
- LEVEL4:ネイティブによる翻訳
- LEVEL5:LEVEL4+表現のローカライズを実施
- LEVEL6:LEVEL5+グローバルに最適化したコピーライティングを実施
「LEVEL1~2は、誤字脱字や語順の間違いがあるなど、その言語を日常的に使う人からしたら違和感を覚える表現が多発している状況を指します。日本語でいえば、たとえば『シ』と『ツ』、『ン』と『ソ』が間違っているECサイトでものを買いますか? 詐欺サイトではないかと不信感を抱き、なかなか踏み切れないのが実際のところでしょう。中古ブランド品や、高価格帯の商品を扱うECサイトでこうした間違いがあっては致命的ですが、中にはブランド名が間違ったまま掲載されているケースも存在します。初歩的なところを見落としていないか、改めて確認しましょう」
徳田氏は「越境ECでしっかりと商品・サービスを売っていきたいのであれば、LEVEL5~6を目指したいところ」と続けるが、商品数の多さや更新頻度、予算によっては、すべてのページにネイティブレベルの翻訳・コピーライティングを施せないケースも多いだろう。そういった場合は「自社・顧客双方の視点から重要度を割り出し、力の入れどころを決めると良い」と勧める。
「まずはGA4を見て、よく閲覧・購入されている商品や関連するページを割り出しましょう。成果に最も近いページに加え、プライバシーポリシーなど信頼性を担保するために欠かせないページの品質をLEVEL5~6まで高め、その他のページは予算に応じて一旦LEVEL3に留めておく方針でも、すべてを中途半端にするよりは結果につながりやすくなります。理想は、LEVEL3+ネイティブによる校正を全ページの最低レベルとすることです」