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徐々にかゆいところにも手が届くようになったGA4
2024年7月1日より、いよいよユニバーサルアナリティクス(UA)へのアクセスができなくなり、完全移行を遂げたGoogle アナリティクス 4(GA4)。2022年に正式リリースされて以降も継続的なアップデートが続いているが、片岡氏いわく「2022年・2023年と比較すると、大規模な機能リリースの頻度は減っている」そうだ。
「完全移行までは、UAと比較して不足する機能やユーザーが求める機能の実装を急ピッチで進めていた印象ですが、こうした動きも落ち着きつつあります。直近のアップデートも、『リアルタイム レポートの [過去 5 分間のユーザー数](2024年6月4日発表)』の項目追加や、詳細レポートのグラフ内で表示できるデータの種類が増えるなどの『レポートの機能強化(2024年9月3日発表)』、データのタイプごとに複数のソースを作成・管理できるようになった『GA4 データ インポートの改善(2024年9月24日発表)』といったように、よりデータを簡単に詳細まで把握できる使いやすさや、管理のしやすさに重きを置いた内容のものが増えています」
GA4が登場した初期は、BigQueryを使ったデータ分析機能が全ユーザーに開放されるなどの変更点から「高度な分析の民主化」といった印象をもっていた人もいるかもしれない。しかし、徐々に自ら手を動かし探索レポートを作成せずとも、標準レポートのみで得られる情報量が増えていることから「目線が下がり、これまでGA4を使いこなすのが難しかった層にまで対象が広がっている」と片岡氏は説明。ECzine読者に向けては「UAと比べて進化したeコマース計測の機能を使いこなしてほしい」と続けた。
「GA4は、アプリとウェブを同一方法で計測しているため、ECサイトとアプリを運用している事業者にとっては、より正確に顧客の動きが把握できるようになっています。
また、2023年12月にはオーディエンス作成ツールやセグメントビルダーなどでアイテムスコープのカスタムディメンションや、事前定義ディメンションが利用できるようになりました。これにより、今までは可視化しづらかった数値も設定さえきちんとすれば見られるようになり、分析の裾野は着実に広がっています。Googleが選択肢として用意しているものはぜひ積極的に活用し、ECサイト分析の幅を広げていきましょう」