即戦力の採用+内部人材の育成がリスクヘッジに
EC事業が立ち上げ後に急成長した際、急いで社内外から未経験者をそろえることがあります。そうすると、比較的同じような年代かつキャリアの人材が集まるケースは珍しくありません。
彼らを育成して必要な業務を担当してもらうのですが、同様のタイミングでライフステージが変わることも多く、退職や休職が集中した経験がありました。その上、他の社員の退職も重なることがあります。「私が何か悪いことをしたのだろうか」と、思わず幹部社員と厄払いに行きました。
EC人材は求人市場もひっ迫していて、即戦力の採用は至難の業です。結局、既存人材の育成が一番早いと私はよくいっています。成長に合わせて必要な人材は増えますし、リーダーやマネージャーも育てていかなければなりません。継続的に新たな人材を採用し、育成するのは、成長のためのリスクヘッジでもあります。
「隣に座っていればコミュニケーションが取れる」は間違い
実はEC部門内での日常のコミュニケーションも課題で、私も多くの失敗を経験してきました。隣の席に座っていても「相手がどんな業務をしているかが見えない」と、不満がたまったメンバーに指摘されたことがあります。
EC特有の課題かもしれませんが、新しい業務が多く、かつメンバーが別々でPCに向かって作業している時間が長くなります。その結果、業務に関係はするものの必須ではない内容は、お互いに共有していませんでした。こうした課題の解決には、意図的に自身の業務内容を説明し合う場を設ける必要があります。これは、事業運営の工程の理解促進や人材育成にも役に立ちます。
EC運営に関して様々なノウハウがありますが、結局のところ、事業成長はもちろん、関連する事業や各部門との連携は、単なるシステムの活用だけでは行えません。コミュニケーションや関係構築、制度の改善などが欠かせないのです。