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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

ECzine Day 2024 June レポート

良品計画がリユースへの取り組み「ReMUJI」で得た発見 サステナビリティとビジネスを両立するには?

 昨今、日本で「サステナビリティ」への取り組みが叫ばれている。しかし、必ずしも売上や利益の向上に直結しないため、「優先順位が高くない」と考える企業もいるだろう。そんな中、積極的にリユース事業などを展開しているのが「無印良品」だ。2024年6月6日開催の「ECzine Day 2024 June」に、株式会社良品計画の産地開発部 素材開発担当課長 大常寿典氏、循環推進部 二次流通課 戸村幸太氏が登壇。主に戸村氏より、企業理念に沿った取り組みが紹介された。

買う・捨てる以外の選択肢もある

 無印良品が誕生したのは、1980年のことだ。40品目から販売をスタートし、今では8,000品目もの商品を取り扱うまでに事業拡大している。戸村氏は「華美な商品がもてはやされる時代のアンチテーゼとして、質素かつ品質の良さを追求した商品を扱っている」と語る。

 無印良品が立ち上げ当初より大切にしているのが、「少しでもリーズナブルな価格を消費者に」という想いだ。長年、「素材の選択」「(無駄な選別を省く)工程の点検」「包装の簡略化」の三つを守ってきた。この想いのもと、あえて形が悪い椎茸も袋詰めした「こうしん われ椎茸」が生まれたほか、現在は、焼きムラや変形など、おいしさに関係なくはじかれていたものも生かした「不揃いバウム」や、箱などに入れずパウチそのままで商品化している「レトルトカレー」、紐で簡易的に包装されたシーツなどが店頭に並んでいる。

 サステナビリティを意識した商品を開発し続ける無印良品の運営元・良品計画は、2021年9月を「第二創業」と位置付け、企業理念を再定義した。戸村氏は、同社が社会に提供しようとしている価値をこう説明する。

「当社が目指すのは、『“人と自然とモノの望ましい関係と心豊かな人間社会”を考えた、商品、サービス、店舗、活動を通じて、“感じ良い暮らしと社会”の実現に貢献すること』です。具体的には、『日常生活の基本的な商品群を、誠実な品質と倫理的な視点から開発し、手に取りやすい価格で提供する』『店舗が各地域のコミュニティセンターとしての役割を持ち、お客様とともに地域課題の解決に取り組む』の二つが使命だと考えています」(戸村氏)

株式会社良品計画 循環推進部 二次流通課 戸村幸太氏
株式会社良品計画 循環推進部 二次流通課 戸村幸太氏

 この企業理念に沿って、同社は環境への配慮や地域社会とのつながり作りなどを推進しているという。特に、戸村氏が所属する循環推進部が注力するのが、顧客を巻き込んだ取り組みだ。たとえば、毎月定額型の家具のレンタルサービスを提供している。

「必要な家具を必要な期間だけレンタルでき、その後は次のお客様に回していく『買う以外の選択肢』を提案しています。単身赴任中や子育て期間の方から好評です」(戸村氏)

 ほかにも、新古品や中古品を販売する「もったいない市」、リユース・リサイクルを行う「MUJI CYCLE」といった事業がある。そのうち、MUJI CYCLEの取り組みの一環として2015年からスタートしたのが、衣料品をリユースする「ReMUJI」だ。

「ReMUJIのコンセプトは、『服は布から。』です。お客様に長年愛用いただいた衣料品を回収し、主に染めなおして販売することで、次のお客様につなげています。昔から衣料品や布を大切にする日本の文化に着想を得ました。お客様とともにリユースの可能性を考えることが目的です」(戸村氏)

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この記事の著者

清家直子(セイケ ナオコ)

フリーライター。地方新聞社で報道記者として、行政や事件報道に従事。現在は、企業オウンドメディアやビジネス系、法律関連サイトなどでインタビューを含めた情報発信を行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/14993 2024/08/21 07:00

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