近年、定額制のサブスクリプションビジネスが盛り上がりを見せている。前回の記事では、なぜサブスクが注目を集めるのか、その理由を解説した。
サブスクの有用性に気づき、「自社のビジネスに導入しよう」と考えている読者もいるかもしれない。しかし、サブスク導入には課題も存在する。
一部の顧客からは、「解約が難しい」「自動更新が面倒」「必要以上に商品が届く」などの声が上がることもある。これらは、サブスクが「うざがられる」要因だ。
今回は、ECサイトでサブスクを検討している事業者、既に導入しているが成果が出ていない事業者に向けて、顧客に「うざがられない」サブスクビジネスの設計を解説する。
この記事が、サブスクビジネスに取り組むEC事業者が顧客満足度を高め、持続可能なビジネスを展開するための一助となれば幸いだ。
顧客に「うざがられる」サブスク
まずは、eコマースにおけるサブスクのメリットをおさらいしよう。
サブスクは、顧客にとっての「お得感」と「利便性」で、近年、大きな人気を獲得している。「都度購入の必要がない」「お金や時間といったコストが削減できる」「サブスクならではの体験が得られる」という点が、具体的なユーザーメリットだ。
サブスクを活用することで、顧客はいつも使うものを都度購入する必要がなくなる。さらに、都度購入に比べて商品の単価が低くなるため、お金・時間ともに大幅なコスト削減が実現できる。
また、特典やメンバーシップなど、「サブスクならではの体験」も大きなメリットと言えるだろう。
しかし、一部のサブスクは、顧客が「うざい」と感じる特性を持つことがある。大きく分けて3つだ。
- 不透明な内容や料金形態
- 解約手続きの煩雑さ
- 安定しないサービス内容
顧客は、自分が支払うサブスクの料金形態を理解できないと、何に対してお金を払っているのかを疑問視し始める。サービスへの信頼は損なわれ、解約を考え始めるかもしれない。
特に、購入画面に定期契約の説明がない、勝手に継続されてしまうなどのケースは、トラブルに発展することが多く気をつけたいところだ。
次ページからは、その他の要因についても詳しく見ていこう。