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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

押さえておきたい!ECトレンド図鑑

スワイプされない短尺動画の作りかたとは 映像クリエイターにしじゅんさんに聞く磨くべき力と学びかた


 各社がSNS、ECでの動画発信を強化する一方、「どうすれば成果につながるのか」と悩む人も増えているのではないだろうか。独学で映像撮影の技術やセンスを磨き、TikTokフォロワー数8.8万人、Instagramフォロワー数6.4万人を記録する映像クリエイターの西村純一(にしじゅん)さんに、ソーシャルコマース時代の情報拡散や売上につながる映像制作のポイント、クリエイターとタッグを組むコツなどについて話を聞いた。

発信者の空白地帯を狙いTikTokへ進出 「B-ROLL」が物撮りチャレンジのきっかけに

 幼少期から映画が好きで、大学時代には映画館でアルバイトをしていたにしじゅんさん。映画鑑賞で心が動いた人々の活き活きとした表情を見て、自身も映像を作りたいと思ったことがこの世界に足を踏み入れるきっかけであったと言う。

「高校まではずっと野球をやっていて、とくに映像を専門的に学んだわけではありませんでした。大学4年生のときに、旅行用に購入して使っていた一眼レフで動画も撮影できることに気づき、『うまく撮れたな』と思った動画をInstagramにアップしていたのですが、ふと『これを仕事にしたいな』と思ったんです。

 そこからは『どうやって発信したら仕事につながるか』を意識して、iPhoneでの撮影や『バズり』を意識した動画作りを始めました。映像とはまったく関係のない仕事に一度は就きましたが、情報発信を続けるうちにCreator's CampusのぞのさんっからDMでお誘いを受け、兼業で映像制作をするようになり今に至ります。お声をいただく機会が増えてきたので、2021年からはフリーランスで活動しています」

Creator's Campus 西村 純一(にしじゅん)さん

 独学で映像制作のスキルを伸ばしてきたにしじゅんさん。YouTubeで情報を発信する海外の映像クリエイターをお手本に、トライ&エラーを繰り返していたそうだ。

「僕がとくに好きなのは、Daniel SchifferさんのYouTubeチャンネルです。海外のクリエイターはクリエイティブな動画を発信するだけでなく、その撮影現場の裏側まで見せてくれています。『こういった動画を撮ってみたい!』と思っても、形にする方法がわからないと挫折してしまいますが、わからないなりに『とりあえずやってみよう』と思わせてくれる。そのワクワク感がたまらなく、物撮りにチャレンジしてみようと思ったのも、Danielさんの動画がきっかけでした」

 Danielさんが発信する撮影現場の裏側を見せるタイプの映像は、一般的に「B-ROLL」と呼ばれる。にしじゅんさんはGoogle 翻訳やDeepL翻訳を用いながらジャンル名や自身が興味関心を持つ商材、ジャンルを調べ、実践と情報発信を重ねてきた。一眼レフを所有しながらもiPhone撮影での発信に軸をずらしたのは、「『真似したい』をきっかけに、動画の保存数が伸びるから」。そしてTikTokでの発信に興味を持ったのは、「Creator's Campus参画後、ぞのさんっとあああつしさんから縦型ショートムービーの可能性を耳にしたことがきっかけだった」と語る。

「僕がYouTubeで発信を始めた頃は、すでに多くのYouTuberが日本にも存在していて、レッドオーシャンと言える状況でした。『一眼レフカメラの使いかた』などノウハウ動画が多かったのですが、映像クリエイターが情報発信を行っているケースも多かったです。であれば、主戦場をTikTokやInstagramに変えつつ、Danielさんのようなかっこいい動画を撮れないかと考え、自分なりの型を見つけることにしました」

@nishijun.1 iPhone3GSのカメラ使ったことある人いますか??#真岡市 #菜の花 #sl ♬ しゅわしゅわハニーレモン350ml - しゃろう

 この数年でコンテンツ量が膨大に増加している縦型動画。見せかたのコツとしてはどのようなものがあるのだろうか。

「縦型動画はSNSで発信する場合、もちろん被写体をよく見せることやおしゃれさを出すことも大切ですが、各SNSのUIを踏まえた構図作りを忘れてはなりません。直近では、TikTokもInstagramのリールもYouTube ショートも画面の右部と下部がアイコンやキャプション表示位置となっています。見せたい商品や情報を右側に置くとこうしたデフォルトの表示パーツと重なってしまうため、被写体は画面の中心から左側に、テロップは中央より上部に置くようにするなど、工夫が必要です。

 TikTokは、公式サイトに『画面構成上の注意点』というページを用意し、動画でセーフティーゾーンを教えてくれています。現状はTikTokがいちばんデフォルトの情報量が多いので、ひとつの動画をさまざまなSNSに投稿したい場合はTikTokの仕様に合わせて制作すると良いでしょう」

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この記事の著者

ECzine編集部 木原 静香(キハラシズカ)

立教大学現代心理学部映像身体学科卒業後、広告制作会社、不動産情報サイトのコンテンツ編集、人材企業のオウンドメディア編集を経験し、2019年に翔泳社に入社。コマースビジネスに携わる方向けのウェブメディア「ECzine」の編集・企画・運営に携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/11945 2023/07/07 16:41

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