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stand.fmで情報発信 販売員経験を持つこじらぼさんが考える「練習の場」としての音声メディア活用


 動画、写真、音声、文字とオンライン上で情報を発信する手段が多岐にわたる現在。中でも近年とくに注目を集めているのが、「音声」の可能性だ。すでにPodcastなどを用いたコンテンツ配信を行う企業・ブランドも存在するが、物販ビジネスに携わる人が「聴覚」に特化した音声メディアを活用するメリットはどこにあるのだろうか。今回は、2021年10月からstand.fmで「販売員のためになるラジオ」を配信しているこじらぼさんに、自ら情報発信を行うに至った経緯と、同番組が自身や仕事にもたらした変化、音声メディアの可能性などについて話を聞いた。

配信を始めた3つの理由 接客のスキル向上はあらゆるシーンで課題に

 アパレル販売員からキャリアをスタートし、店長・エリアマネージャー、スタッフの教育担当と着実にステップアップしてきたこじらぼさん。現在所属する企業ではエリアマネージャーとして店舗運営のサポート、人材育成、販促立案などに携わっていると言う。

 そんなこじらぼさんが初めて配信者としてstand.fmに参加したのは、2020年の夏頃。「ビジネスインフルエンサーの方々が、口を揃えて『音声配信がこれから盛り上がる』と言い始めたことがきっかけ」だと語る。

「もともと接客を仕事にするほど話すことは好きだったため、当初は趣味の情報発信を行う目的で配信を開始しました。中高生の頃からラジオリスナーだったので、自分自身がパーソナリティー(情報発信者)になることができる点も、魅力的に思えた理由のひとつです。また、YouTubeなどのように顔出しをしなくて良い点も後押ししてくれました。

 趣味に関する配信は1年ほど継続して実施しました。順調にフォロワーも増えていたのですが、本業やプライベートが忙しくなったのをきっかけに一度配信を中断し、考える時間を設けることにしたのです。そして『自分のこれまでのキャリアや技術を活かした配信をしたい』という考えに至り、『販売員のためになるラジオ』を始めました。今のアカウントでは、2021年の10月から配信を行っています」

「販売員のためになるラジオ」配信者 こじらぼさん

 こじらぼさんが販売員向けに情報発信を行おうと決断したのは、なぜなのだろうか。大きく分けて3つの理由があると教えてくれた。

「いちばんの理由は、コロナ禍の現場を見ていて『販売員に元気がないな』『楽しそうに見えないな』と課題を感じた点にあります。今一度自分たちの仕事に楽しさや面白さを見出してほしい。そう考えた際に、多忙な中でも片手間で楽しめる音声配信は相性が良いのではないかと思いました。

 また、20年ほど接客販売に携わってきたため、店長やエリアマネージャー、販売員の教育に携わる方々に向けて『日々の仕事のヒントなど、私から伝えて役に立つこともあるのでは?』と考えたのも、きっかけのひとつです。

 さらには、アフターコロナの世界についても考えました。私は『デジタル化が進むにつれ、接客の仕事の重要度はより増す』『仕事を変える人が増える中で、接客業に新たに参入する人も増えるだろう』と予想しています。こうした方々に『接客ってやっぱり楽しいよね』『やってみようかな』と思ってもらえるようなきっかけを作りたい。そう思って配信を始めました」

 こじらぼさんは、コロナ禍でEC化が進んだこと、デジタル活用が幅広い世代に浸透したことに触れながらも、「オンラインの世界が盛り上がれば盛り上がるほど、オフラインのつながりへの需要は高まり、ジャンルによってはリアル回帰の流れが大きくなるはず」と持論を語る。そこで求められるのは、「質の高いサービスの提供」だ。また、こじらぼさん自身がコロナ禍以前から着目していたスモールビジネスを新たに始めるプレイヤーにとっても、「接客のスキル向上」は課題になっていると続ける。

「配信を始めたことで、街で花屋や眼鏡屋を営む方、オーガニック商品を扱う店舗を運営している個人の方など、さまざまなつながりができました。こうした方々の話を聞くと、接客に対するお困りごとが多く寄せられます。

 いわゆる『地域の商店』といった規模感でビジネスをしていると、枠にはまった接客よりも昔ながらの八百屋さんのような近しい距離のコミュニケーションが求められるのが実情です。また、こうした人と人とのつながりを体験として提供したい、注力したいと考えるケースも増えるのではないかと考えました。いわゆる『マニュアル接客』ではない接客を求める世界が広がっていく。これは配信を始めて気づいた点ではありますが、こうした方々に対してもお役に立ちたいと思い、今は配信内容にも反映しています」

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この記事の著者

ECzine編集部 木原 静香(キハラシズカ)

ECに関する情報を、さまざまな切り口からお届けできればと思います。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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