高いカゴ落ち率を記録する日本 決済体験向上からEC市場を盛り上げる
Smartpayは、2021年6月にPaidyやStripeのプロダクト開発に携わってきたピーテールヤンさんと、Starbucks、Mastercard、Facebook(現Meta)などでECやフィンテック・イノベーション推進を行ってきたサミルさんの2名によって創業。これまで日本やアジア太平洋地域の決済体験向上に携わってきた両者の経験を活かし、同年11月にオールインワン型の支払体験と利息ゼロの支払いソリューションを組み合わせたクレジットカード後払い決済サービス「Smartpay」をローンチしている。
「ピーテールヤンと意気投合したのは、私がFacebookやInstagram、WhatsAppのECビジネスの構築に携わっていた頃のことです。当時、彼はStripeで働いていました。彼とこの10年から15年ほどの日本の小売やECの変遷について意見交換をするうちに、日本市場、とくにデジタル経済の領域において非常に大きな変化が起きていることに気がついたのです。
しかし、日本のECはこの変化に対応できておらず、世界の中でも1、2を争うほどの高いカゴ落ち率を記録している状況でした。そこで、顧客に新しいサービスや体験を提供すべきマーチャントに対してのみならず、顧客も含めかかわるすべての人々がWin-Winになる金融ソリューションを作り上げる必要があると考えました」(サミルさん)
サミルさんは「日本のマーチャントは質の高い顧客サービスを提供しているが、デジタルや決済領域における体験向上には苦戦している」と続ける。コロナ禍でEC進出するマーチャントやEC利用者が増加しても、彼らが「フリクション(摩擦)」と呼ぶ決済完了までの煩雑な手続きが簡略化できないことには、実店舗に匹敵する「その場ですぐに購入できる」という体験提供は実現できない。
「実店舗中心の小売業から、ECへとビジネスを拡張させ成功したいと考える日本のマーチャントに貢献したい。そう考え、私たちは日本でビジネスを展開することに決めたのです」(サミルさん)