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2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

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EC広告の基本をおさえよう!種類・選び方・施策の実行ポイント


 EC広告はECサイトを運営するうえで欠かせないものであり、基本的なポイントを把握しておく必要があります。広告費の割合と予算を踏まえて、どのように運用していくべきかを検討してみましょう。 今回は、EC広告の種類や選び方、効果的に運用するためのコツを紹介します。

 ECサイトを運営する上で、EC広告を効果的に展開していくことは欠かせません。ひとくちにEC広告といってもさまざまな種類があり、基本的な特徴をおさえて自社に合った広告展開を図っていくことが重要です。

 また、広告の費用対効果を把握して、予算割合を決めていくことも大切だといえます。

 この記事では、EC広告の種類や選び方のポイント、効果的に運用するためのコツを解説します。

EC広告の5つの種類

 ECサイトに活用できるWeb広告は、おもに5種類あります。それぞれの広告の基本的な特徴を見ていきましょう。

1. リスティング広告

 リスティング広告は、広告主が指定したキーワードが検索されたときに、GoogleやYahoo!などの検索結果に表示される広告のことを指します。広告を出稿するキーワードをあらかじめ指定できるので、自社の商材に関心のあるユーザーをターゲティングできるのが特徴です。

 また、配信設定を行うことによって、特定の条件に当てはまるユーザーのみに広告を表示させることが可能です。地域、年齢、時間帯、デバイスなど、さまざまな条件を設定することで広告効果を高められる仕組みです。

検索連動型広告のイメージ

2. ディスプレイ広告

 ディスプレイ広告とは、Webサイト上の広告枠に配信できるものであり、バナー形式で表示されることが一般的です。GDNやYDNなどがあり、テキスト形式のリスティング広告に比べて、ユーザーの目に留まりやすいというメリットがあります。

 たとえば、ディスプレイ広告におけるおもな手法には、リマーケティング広告(リターゲティング広告)という追従型広告があります。リマーケティング広告(リターゲティング広告)とは、自社のサイトを何らかの形で利用したことがあるユーザーに対して広告を配信し、再び訪問することを促す広告手法です。同じユーザーに同様の広告を配信することで、広告効果を高めることができます。

3. 記事広告

 記事広告とは、掲載先のメディアの視点で書かれた記事型の広告のことであり、タイアップ広告などとも呼ばれます。記事の体裁で広告を作成することによって、広告らしさを抑えるといった狙いがあります。

「boxil」や「ferret」など、集客力のあるWebサイトに自社の商材を紹介してもらうページを作ることで、記事広告を展開していきます。直接的に商材の購入を促すのではなく、購入するきっかけとなる悩みやニーズに焦点を当てることでユーザーの購買意欲を高める手法といえるでしょう。

記事広告のイメージ

4. SNS広告

 SNS広告とは、Facebook、Instagram、TwitterなどのSNSに出稿する広告のことです。利用する媒体によってユーザー層が異なるため、商材に合わせた広告展開が可能となります。

 大手SNSの場合、日本だけでなく海外にも多くのユーザーを抱えているため、ターゲットの設定次第でさまざまな広告展開を図ることができます。

5. アフィリエイト広告

 アフィリエイト広告とは、個人または企業が運営するブログやWebサイトに広告を出稿する方法です。商材の購入や申込がなければ、アフィリエイターに対して報酬を支払う必要がないため、使い方次第で広告効果を高められるでしょう。

 成果報酬型以外にもクリック型やインプレッション型があり、どのような目的で広告を展開するかによって使い方が異なります。

ECサイトでWeb広告を使うメリット・デメリット

 ECサイトにおいてWeb広告を利用するメリットがある反面、少なからずデメリットもあります。それぞれのポイントについて解説します。

Hand holding smile face

Web広告を使うメリット

 ECサイトの集客を図るためにWeb広告を使うメリットとして、顕在ニーズのあるユーザーに対してアプローチが行える点が挙げられます。

 自社のユーザーであればサイトを訪問してくれることに期待できますが、自社のことを知らないユーザーに対しては積極的にアプローチを行っていく必要があります。

 Web広告では配信するメディアを選べますし、どのようなユーザーに広告を見てもらいたいかを細かく設定することも可能です。また、アナログ媒体の広告とは異なり、Web広告の場合は効果測定を行うことが簡単であるため、出稿条件や配信内容をより効果的な形へと改善しやすいといえるでしょう。

 広告予算を最大限に活用するためにも、Web広告も視野に入れて集客を図っていくことが重要です。

Web広告を使うデメリット

 Web広告を利用するデメリットとしては、広告費がかかる点が挙げられますが、Web広告の場合、自社で予算管理を行いやすいので、広告効果が薄い場合はすぐに配信を止めることができます。

 ただし、そういった判断を適切に行うために、Web広告の運用についてある程度は専門知識を持った人材を確保しておく必要があります。

ECにおける広告費割合と予算の決め方

 ECでは、広告費の使い方が集客において大きな影響を及ぼします。ここでは、広告費の平均割合や予算のとらえ方や決め方について解説します。

ピンクのブタの貯金箱のイメージ

広告費の平均的な割合

 日本通信販売協会(JADMA)の「2015年度 第34回通信販売企業実態調査報告書」によれば、ECの売上高に占める広告宣伝費の平均は20.1%となっています。過去の傾向から見ても、ECの場合は広告宣伝費を多くかけることで、売上につなげていることがわかります。

 一般的なビジネスにおける広告宣伝費の割合は売上高に対して5~10%程度といわれており、他の業種と比べてECにおける広告費割合の高さがうかがえます。ECでは、対面での接客が行えないので広告予算を多く割くことで集客に力を入れていると言えるでしょう。

 業種や取り扱う商材によって売上高に対してどれくらいの広告予算を割くべきかが異なってきますが、ひとつの目安として念頭に置いておくと予算設定を行いやすくなるはずです。

 特に、自社や商材そのものがよく知られていない場合には、多くの広告予算を投入する必要が出てきます。逆に認知度が高まれば、広告費の割合を下げても一定の集客を見込める場合も考えられるので、状況に合わせて柔軟に対応していくことが重要です。

ECでの広告費のとらえ方

 一般的なビジネスと比べてECの広告費が高い傾向にあるのは、広告費に対するとらえ方が異なるためだといえます。

 業種によっては、広告よりも営業・販売が売上高に直接影響する部分が大きく、広告費を「間接費」としてとらえていることも少なくありません。そのため、売上高に占める広告費の割合はそれほど高くなく、むしろ営業費や販売費がどの程度かかったかに注意を向けがちです。

 一方、実店舗を持たないECの場合は、広告そのものを「売り場」としてとらえるため、広告費を売上高に大きな影響を与える「直接費」としてとらえる傾向があります。

 広告を出稿しなければ、そもそも売上を立てる目途がつかない場合もあるため、自ずと広告費が占める割合も大きくなるでしょう。ECにおいては、売上を立てるためにどの程度の割合で広告費をかけるのかが重要になるのです。

広告費の予算の決め方

 一般的に広告予算の組み方は目的によって異なります。 たとえば、「ECサイトにアクセスを増やしたい」という場合と「ECサイトの売上をアップさせたい」という場合では、次のようになるでしょう。

ECサイトにアクセスを増やしたい

目標とする訪問顧客数×クリック単価=広告予算

例)10,000人×5円=50,000円

ECサイトの売上をアップさせたい

売上目標÷平均購入単価=獲得すべき購入顧客数

例)5,000,000円÷5,000円=1,000人

購入顧客数÷購買率=必要な訪問顧客数

例)1,000人÷1%=100,000人

訪問顧客数×クリック単価=広告予算

例)100,000人×5円=500,000円

 広告を出稿する目的を定め、上記のようなシミュレーションを行ったうえで広告予算を検討しましょう。

EC広告を効果的に運用するポイント

ポイントのイメージ

 EC広告の効果を最大限に高めるためには、広告掲載の前と後、それぞれのタイミングで取り組むべきことがあります。ここでは、どのような点に意識を向けておくべきかを解説します。

適した広告媒体を選ぶ

 ひとくちにWeb広告といっても、リスティング広告や記事広告、SNS広告などさまざまな種類があります。自社が狙いたいユーザーが多く利用するメディアに広告を出稿するようにしましょう。

 また、出稿する目的に合わせて広告を選ぶことも必要です。たとえば、多くのユーザーにサイトを訪問してもらいたい場合は、リスティング広告やディスプレイ広告を選んでみると良いでしょう。

 商材の販売そのものが目的ではなく、じっくりと自社のファンを獲得していきたい場合は、記事広告やSNS広告を活用してみてください。

 ダイレクトに購入者や問い合わせするユーザーを増やしたい場合は、アフィリエイト広告を利用すると良いでしょう。

配信前にテストを行う

 同じ内容の広告であっても、見せ方によって印象が変わったり、コンバージョンに影響したりするため、配信前にはテストを行うようにしましょう。たとえばディスプレイ広告の場合、A/Bテストの実施は不可欠な要素です。

 A/Bテストとは、バナーや広告文などを最適化するために行うテストのことであり、いくつかのパターンを作って広告の反応を試します。テスト結果をもとに、一番成果の高かった広告を使用することで、広告のクリック数やCV率を高めることが可能です。

PDCAのイメージ

効果測定と改善を繰り返す

 Web広告は出稿して終わりではなく、継続的に効果測定と改善を繰り返しながら運用していく必要があります。

 Web広告の場合はアナログ媒体の広告とは違い、アクセス数やクリック数などを瞬時に把握することが可能です。

 どのような時間帯に、どういった属性を持ったユーザーが広告を閲覧しているかがわかるため、効果測定と改善を繰り返すことによって、広告効果を高められるでしょう。

 効果測定と改善を定期的に繰り返し行うことで、自社のターゲットに適したアプローチを行えるようになるはずです。

まとめ:EC広告の基本を理解して、自社に合った広告を選ぼう

 ECサイトの集客力を高めるためひとつの方法として、EC広告は役立ちます。EC広告には多くの種類があり、それぞれ特徴も異なるため、広告費に充てる予算やその効果を検証しながら、運用していく必要があるといえるでしょう。

 EC広告を効果的に展開するために、定期的に運用の見直しを行いながら、適した方法を見つけましょう。

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この記事の著者

EC研究所(イーシーケンキュウジョ)

ECについての情報を調べ、まとめてお届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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