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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

勝つD2C 注目ブランド大研究

自社EC×Twitter連動施策でコロナ禍売上2.5倍 創業200年の和菓子屋が語る食品EC成功術


 代々茨城県鹿嶋市で和菓子屋を営み、2022年に創業200年を迎える丸三老舗。2007年に脱サラし同社の7代目店主となった笹沼和彦さんは、倒産寸前の状況を打破すべく、実店舗中心の経営方針から大きく舵を切り、ECを主軸としたビジネスを開始した。「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」「Giftmall」などモールへの多店舗展開をしつつ、「BASE」で構築した自社ECでTwitterと連動した施策を行うことで新たな販路を開拓。コロナ禍でEC売上を約2.5倍に成長させた同氏に、食品ECを成功させる秘訣や実店舗が担う新たな役割について話を聞いた。

地方過疎化でECを1からスタート 「自前運営」の大切さ

 文政5年創業。茨城県鹿嶋の地で、約200年にわたり和菓子を作り続けてきた丸三老舗。現在も同地に構える本社および工場を中心に、地域密着型の和菓子屋を複数店舗展開する。同社の代表で7代目店主を務める笹沼さんは、2007年に脱サラし同社を引き継いだ。それまで実店舗中心に事業を成長させてきた同社だが、地方過疎化の流れなども影響し、笹沼さんの着任時には倒産寸前の状況まで追い込まれていたと言う。こうした状況を打破するために、本格的にEC事業に乗り出すことを決めた笹沼さんは当時についてこう語る。

「私が7代目店主に着任したのは、母からの電話がきっかけでした。当時の丸三老舗は私の叔父が代表を、母が役員を務めながら販売を担当。人手が足りていたこともあり、私は東京で会社勤めをしていました。しかし、ある日母から『経営状況が思わしくないから助けて欲しい』という連絡を受け、鹿嶋に戻ってみると経営状況は想像以上に悪化。鹿嶋を中心に展開していた不採算店舗を閉めるなどして、少しでも赤字を解消する必要がありました。私は店舗が不採算となる要因として、地方過疎化の流れによる人の減少が影響していると感じたため、これを機により多くの人に商品を届けることができるECに注力。実店舗中心の経営方針から大きく舵を切りました」

 先代店主の頃から、「楽天市場」にてECへの出店は行っていたものの「ほとんど開店休業状態だった」と笹沼さんは言う。まずはこの既存店で売上を伸ばすことを目指したが、自身を含め社員の中にEC運営の知識・ノウハウを持っている人はおらず、EC運営代行企業に依頼。初期費用を支払い、約1年間運営を任せるも、当初依頼先から提示されていた売上の10分に1程度にしかならなかった。

「依頼先の企業からは『歴史もあって商材も良い、年商1000万円にできる』というお話をいただいていたのですが、実際には1年間で100万円ほどの売上でした。そこで感じたのは、ECも実店舗と同様、商品やブランドに対する思いを持った人が販売しなければ売上は伸びない、ということです」

株式会社丸三老舗 代表 7代目店主 笹沼和彦さん

 EC運営も自分たちの手で、と決めた笹沼さん。当時、東京の外資系不動産コンサルタント企業で働いていた奥様にも声を掛け、二人三脚で丸三老舗のECを1から作り上げてきた。奥様は現在も、同社のEC事業の責任者を務めている。

「まずはEC運営の知識・ノウハウを獲得しなければと考え、楽天グループが開催しているEC運営教室『楽天大学』にエントリーしました。同教室に妻が通い、そこで得た知識を当社のEC運営に還元。手前味噌ではありますが、和菓子の味には自信を持っていますので、『味』と『思い』にEC運営の知識・ノウハウと組み合わせれば、売上を伸ばすことができると考えていました。実際に妻がEC運営を行うようになってからは、前年比1.5~2倍のペースで売上が伸長し、2017年頃まで右肩上がりの状況が続きました」

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コロナ禍でもEC売上2.5倍 自社EC×Twitterの“つながり”が助けに

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この記事の著者

ECzine編集部 髙橋 希望(タカハシノゾム)

革靴販売に約7年間従事後、2021年よりECzineの編集者を務めています。コマースの現場で感じたことを活かしつつ、ECに関するさまざまな情報をお届けしていきます。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/10074 2023/07/14 17:38

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