「NTTコム リサーチ」は、全国20歳~79歳の男女を対象に、「SDGs」について調査を実施した。
SDGsについて「内容を知っている」のは3割にとどまる。
SDGsを知っているか尋ねたところ、「内容を知っていて、関心がある」と回答した人は11.5%、「具体的な内容まで知っている」と回答した人は22.7%、「名前は知っている」と回答した人は40.0%、「知らない」と回答した人は25.8%となった。SDGsという言葉について認知している割合は7割を超えるが、「具体的な内容を知っている」のは、3割程度であった。
17の目標の中で関心度が高いのは 「健康と福祉」 「海を守ろう 」「安全な水とトイレを世界中に」
SDGsの17の目標への関心を聞いたところ、関心度合いが最も高かった項目は、「すべての人に健康と福祉を」で49.2%となり、次いで「海の豊かさを守ろう」(46.2%)、「安全な水とトイレを世界中に」(43.7%)が上位3つとなっている。
年代別でみると、「すべての人に健康と福祉を」はいずれの年代でも関心度が高かった。 20代30代においては、「貧困をなくそう」への関心が高く、また40代~60代においては「海の豊かさを守ろう」への関心が高い。
一方で、17の目標に関して、「(関心があるものは)特にない」と回答した人は、30代で25.0%と若年層で多くなっている。 70代では5.6%であるのに対し、20代では34.5%となっており、約29ポイントの差がある。 SDGsの17の目標に対する関心は、若年層になるほど低いことがわかる。
SDGsについての情報源は「テレビのニュース番組」が7割
SDGsについて「普段どこで見聞きするか」尋ねたところ、「テレビのニュース番組」が最も多く71.9%、次に多いのが「ニュース以外のテレビ番組」で42.6%だった。 年代別でみると、70代においては、「テレビのニュース番組」に続いて、「新聞」が56.5%と2番目に多かった。
SDGs・「持続可能な開発目標」という表記が「分かりづらい」と感じる人は4割を超える
SDGsの認知が進まない理由はどこにあるか尋ねたところ、「『SDGs』というアルファベット4文字が分かりづらい」と回答した人は44.6%、次いで、「具体的に何をすればよいのか分からない」と回答した人は40.4%となった。
また「持続可能な開発目標」という日本語表記についても同様で、「意味が分かりづらい」と回答したのは54.3%、次いで「もう少し浸透しやすいワードがよい」と回答した人は39.3%となった。アルファベット4文字での表記や「持続可能な開発目標」という日本語訳がわかりにくいことが、SDGsに対する関心度や浸透度に少なからず影響していることがわかる。
半数以上が、普段から 「節電」「マイバッグ ・マイボトル持参」「余り食材の活用」 を心掛けている
SDGsへの取り組みとなる身近な行動について具体例を掲示し、「普段行っている行動はあるか」尋ねたところ、行動している人の割合が最も多かったのは「電気をこまめに消す」で、67.1%であった。 次いで、「マイバッグ、マイボトルを持参する」62.9%、「食べ残しをしない、余り食材を活用する」59.9%が続く。 さらに、同じ具体例に対して、「『SDGsに関連する取り組み』だと思う行動」はどれか尋ねたところ、節電・マイバッグ持参など「エコ」に関連する行動については、SDGsに関する取り組みだと認識している人が多い。
一方で、「家事を、家族みんなで協力し分担する(『ジェンダー平等を実現しよう』につながる行動)」や、「家具の転倒防止や防災グッズを用意する(『住み続けられるまちづくりを』につながる行動)」に関しては、「SDGsに関連する取り組み」だと認識している人が少なく、それぞれ2割程度である。
また、「風呂水を散水や洗濯に再利用する」、「紙パッケージの商品を購入する」については、「SDGsに関する取り組み」だと思う人はそれぞれ4割以上だが、実際に普段から行動できている人は3割にも満たず、認識と行動に10ポイント以上の差がある。
SDGsに関する取り組みを行っている企業に対し、6割が好印象を持つ
SDGsの取り組みをしている企業のイメージを尋ねたところ、「その企業に対して好ましく思う」については、59.5%が「あてはまる」と回答し、「あてはまらない」と回答した人が7.5%となった。「その企業の商品やサービスを購入しようと思う」については、46.7%が「あてはまる」と回答した。 「その企業に就職しようと思う・その企業への就職を周囲に薦めたいと思う」については、36.6%が「あてはまる」と回答した。
SDGsに取り組むことが、やりがい・社会貢献に対するモチベーションになると回答したのは2割
「SDGsの取り組みに参加するきっかけになりそうなもの」を尋ねたところ、最も多かったのは「経済的負担がない」37.0%で、次に多かったのは「都合が良い時間帯に活動できる」25.0%であった。 続いて「やりがいや、社会の役に立てている実感が持てる」、「余暇時間を有意義に過ごせる」がいずれも21.1%となった。
調査概要
- 調査対象: 「NTTコム リサーチ」提携モニター
- 調査方法: 非公開型インターネットアンケート
- 調査期間: 令和3年6月9日(水)~6月10日(木)
- 有効回答者数: 1,064名
- 回答者条件: 20歳~79歳の全国男女