ヤマト運輸は、EC商品の返品時における利用者の利便性向上に向け、Doddle Parcel Services Ltdが提供する返品システムとヤマト運輸の配送ネットワークを連携させた、EC事業者向け「デジタル返品・発送サービス」を開始した。
また、ファーストユーザーとして、ギャップジャパンが運営する「Gap」「Banana Republic」の公式オンラインストアで同サービスの利用を開始。
同サービスでは返品手続きや業務をデジタル化することで、従来発生していた利用者による電話での返品依頼や伝票作成の手間などの返品手続きを簡便化するとともに、最寄りの宅急便センターやオープン型宅配便ロッカーのPUDOステーション、一部のコンビニエンスストアなどから伝票レスでの返送が可能になる。EC事業者においては、返品処理時に発生する業務が効率化され、また、返品受付サイトの構築を含めたパッケージでのサービス提供となるので、初期コストを抑えて短期間でサービスを開始することができる。
利用方法
- EC事業者は、利用者が返品手続きをする際に情報入力を行う各項目やサイトのデザインなどを設定し、返品受付サイトを構築
- 返品受付サイトのURLを、ECサイト内や納品書、返品を希望された利用者に送付するメールなどに記載して案内
- 利用者は、EC事業者から案内された返品受付サイトのURLにアクセスし、注文番号とメールアドレスを入力。案内に従って、購入した商品の受取日や返品理由、名前や住所など必要な情報を登録
- 次に発送方法を、発送可能な店舗などへの「持ち込み」もしくは「自宅集荷」から選択
- 返品受付が完了すると二次元コード付きのメールが送付される。「自宅集荷」を選択した場合は、二次元コードなしのメールとなる
- 荷物を梱包し、該当場所で二次元コードを提示して返品手続きを行う。「自宅集荷」の場合は、セールスドライバーが集荷をし、印字済みの配送伝票を貼り付ける
- EC事業者は、利用者の入力情報を管理画面から確認し、返品処理を行う
同サービス利用によるメリットは、次のようなものがあるという。
返品する利用者
- ウェブ上で返品手続きが可能になる
- 店舗で二次元コードを提示するだけで、伝票を手書きで記入する必要がなくなる
- 自身の都合の良い時間に、最寄りの店舗などから商品を返品可能
EC事業者
- 利用者が手続きをする返品受付サイトを容易に構築でき、短期間でサービス導入が可能
- 利用者側で返品に必要な情報を入力するため、返品受付の入力業務や伝票印字などの負荷軽減が図れる
- 返品予定情報がデジタルデータ化されることで、返品荷物の到着前に業務量の把握できる
- 利用者の生活スタイルに合わせた返品対応が可能となり、顧客満足度向上につながる
今後も両社で連携し、返品領域における物流のデジタル化を加速させ、EC事業者、利用者、物流事業者にとってより付加価値の高い「ECエコシステム」構築に向けた取り組みを進めるとのこと。