オージス総研と月桂冠は、共同開発した日本酒の飲みくらべを推奨するAI診断アプリ「サケクラ」の実証実験を実施した。
同アプリは、オージス総研が提供する『行動観察』手法を用いて洞察したユーザーニーズをもとにして、AI技術の活用を含めたアプリの企画デザイン・開発(UXデザイン、システムおよび機械学習によるモデリングの設計)を進めて完成させたもの。売店内に設置したタブレットを用いて、消費者に日頃のお酒との関わりなどについての3つの質問に答えてもらうことで、AIにより診断された飲みくらべにお勧めの日本酒2種類の組み合わせを提案する。
今回両社は、「月桂冠大倉記念館」(京都市伏見区)の売店で、2020年9月11日(金)~9月28日(月)の18日間に実証実験を実施。アプリ体験の有無やアプリが提案したお勧めの日本酒と、消費者が実際に購入した商品とを比較し、アプリ体験と消費者の日本酒選びとの相関を検証した。
その結果、AI診断で導き出された商品の購入率は5倍、飲みくらべ2種類のセット購入率は10倍となり、アプリがどのお酒を選べばよいかわからない消費者にお土産選びのきっかけを提供し、日本酒の飲みくらべというお酒の楽しみ方を後押しする結果となった(いずれも、AIアプリ診断を利用し、その商品をお勧めされていない人と比較しての数値)。また、アプリを利用しない人と比較して消費者ごとの購入金額は1.2倍となったことから、AI診断アプリが店舗の売上向上へ貢献することが期待できるとのこと。