矢野経済研究所が、国内アパレル市場を調査。2019年の国内アパレル総小売市場規模は前年比99.3%の9兆1,732億円となり、横這いからマイナス推移に転じた。
品目別に市場をみると、婦人服・洋品市場が前年比99.7%の5兆7,138億円、紳士服・洋品市場が同98.5%の2兆5,453億円、ベビー・子供服・洋品市場が同99.5%の9,141億円となり、いずれも微減であった。
国内アパレル総小売市場規模を販売チャネル別に見ると、百貨店が1兆6,797億円で前年比93.6%、量販店7,993億円、同98.2%、専門店5兆514億円、同99.7%、その他1兆6,428億円、同105.4%で、その他(通販等)だけが伸びた。
調査元では、将来的的にチャネル「その他」のうち通販(主にウェブ)のシェアが高まっていくと見込む。コロナ禍によって消費者が外出を控えているなか、ネット通販やOMO(Online Merges with Offline)戦略などのデジタルテクノロジーの導入が加速。一方で、リアル店舗の存在意義が問い直されている。オンラインとオフラインを融合させることで、顧客体験を向上させていかなければ差別化は難しい。EC化率は今後も上昇する見通しとしている。
- 調査期間: 2020年7月~9月
- 調査対象: アパレルメーカー(総合アパレル,メンズアパレル,レディスアパレル,ベ ビー・子供アパレル他)、小売業(百貨店,量販店,専門店,その他)、商社、業界団体等
- 調査方法: 同社専門研究員による直接取材、および郵送アンケート調査、文献調査併用