アリババグループ傘下のタオバオ・マーケットプレイスは、2020年7月30日から2020年8月23日まで、初のリアル×バーチャル同時開催となるタオバオ・メーカー・フェスティバル(中国語:淘宝造物節、英語:Taobao Maker Festival)を開催している。
タオバオ・メーカー・フェスティバルは、2016年にスタートし、今年で5回目となる、タオバオを象徴するクリエイティブイベント。今年のテーマは「造喚新生(和訳:新生を呼び起す)」。リアルでは、7月30日から8月23日までの20日間、初の都市巡回イベントを実施。中国・杭州からスタートし、西安、成都、武漢を含む4都市を巡回する。ポップアップストアとして改造した大型トラックに、毎日数十もの出店者の商品を展示し、現地に出向いた若手起業家・クリエーターと、地元のフェスティバル参加者とのファンミーティングも行う。
また、バーチャルでは、8月10日から13日までの4日間、3Dアバターを活用したゲーム「タオバオ・ライフ」を立ち上げ。ゲームの中で、タオバオのユーザーは有名タレントのバーチャルフィギュアとも交流できる。二次元のバーチャル展示館では、初音ミクのバーチャルフィギアと交流も可能。
新評価システムを導入し若手クリエイターやスタートアップを選出し、販促活動をサポート
タオバオは、タオバオ・メーカー・フェスティバルの開催に合わせて7月30日に、出店者の新評価システムを発表した。中国国内の若手クリエイターやスタートアップを選出し、1年間にわたって、タオバオ・プラットフォーム上のブランド露出と販促ツールを提供する。
新評価システムの審査は、業界の専門家で構成された独立審査団が、過去5年間にタオバオ・メーカー・フェスティバルに参加したすべての出店者を対象に実施。4段階の評価システムにより約200の出店者を選出し、デジタルバッジを授与する。また、その商品は、ユーザーごとにパーソナライズされたタオバオの商品レコメンデーション機能「グッド・ファインド」セレクションに掲載され、認知度が高まることが期待される。
新評価システムは、タオバオのコンテンツ重視のコマース戦略から生み出された取り組み。取引主体のeコマースマーケットプレイスから、ユーザーが幅広いコンテンツを楽しむことができる多角的なソーシャルコマースプラットフォームへと変貌を遂げ、販売効率と顧客の定着率を高めることに成功したとのこと。他にも、ライブコマースの「タオバオライブ」、微淘(Weitao=タオバオ上のソーシャルメディアチャネル)、ショートビデオ、マイクロブログ、おすすめ商品のキュレーションチャネル「グッド・ファインド」など、本戦略を通じてタオバオを代表するさまざまなツールが誕生している。
本戦略の結果、タオバオにはクリエイティブなスタートアップが大幅に増加した。現在では出店者数が20万を突破し、2018年から200%増となっている。タオバオのカテゴリーオペレーションリーダー、張凱夫(Kaifu Zhang)は、タオバオがコンテンツマーケティングを通じて、中国の次世代のメーカーや販売事業者の育成にコミットしている点を強調し、次のように述べている。
「私たちは引き続き、消費者とのコミュニケーションにおける『コンテンツ』を重視し、タオバオのユニークな強みを活かして、若手起業家やスタートアップが市場の関心を得られるよう支援し、消費者により良い体験が届けられるよう取り組んでいきます」