EC事業においてサイトやUXの改善は成長のために不可欠なことのように思えます。しかし、EC支援サービスを展開するハモンズ(現在は社名をフルカイテンに変更)の瀬川直寛氏は、特に中小規模のECショップではサイト改善よりも先にすべきことがあると断言します。
それが粗利の見直しです。粗利が増えればほぼ同じコストで利益が増えますが、サイトを改善するだけでは粗利はなかなか増加しません。必要なことは、粗利単価の高い商品を売ること。いったいどうすればそうした商品の注文数を増やせるのでしょうか。
そのためのノウハウを詰め込んだ1冊が、『中小ECショップのための粗利からみる売上アップ講座』です。瀬川氏の実践と経験のエッセンスを書き起こしたECzineの連載を電書としてまとめました。
粗利単価が増加した例として、送料が無料になる購入金額を値上げするといった手法が。また、失敗した例には高い買い物をする動機が起きにくいクーポンの発行などがあります。なにより、「初回購入時の敷居を高めることが粗利単価を向上させるためのカギになる」というアイデアは意外に思えて効果的だそうです。
中小規模のECショップを経営する方にはぜひお勧めしたい本書。サイト改善も大事ですが、まずは粗利を増加させるための施策を講じてみませんか?
目次
1章 あなたのネットショップが「サイト改善」では売上アップを実感できない本当の理由
・EC運営、頑張っても儲からない理由とは
・あなたのEC、月商はいくらですか?
・「受注件数=PV×転換率」にだまされるな
・売上や受注件数を追いかけるのはやめよう
2章 あなたの粗利計算方法、合っていますか?
・ECショップにおける 正しい「粗利」の考えかた
・ECショップにとっての正しい粗利計算方法
・粗利は受注件数と粗利単価のバランスで決まる
・粗利単価は平均ではなく「分布」で見る
3章 粗利単価はお店の格で決まる!? 粗利単価の高い注文を増やすコツ
・アンカリング効果とブランドイメージ
・初回購入時の客単価が2回目の購入に与える影響
・初回購入時の客単価がリピート率に与える影響とは
4章 粗利が増加した成功例から探る "欲しい"粗利単価帯の受注を増やす方法
・施策(1)送料が無料になる購入金額を値上げする
・施策(2)どんな粗利単価の注文を増やすべきかを見抜く
・施策(3)どの商品をどう売ればいいかを見抜く
5章 「○○すると粗利は下がる」失敗例から学ぶ、粗利単価をアップさせるために避けるべきこと
・失敗例(1)送料が無料になる購入金額が安すぎる
・失敗例(2)高い買い物をする理由がないクーポン
・失敗例(3)セールを頻発している
6章 「欲しい粗利は自分で決める」 粗利を増加させるためにいちばん大切なこと
・粗利とは「いくら欲しいかを自分で決めるもの」
・施策を実現するための4つのポイント
・これから勝ち残るのは「粗利への理解度が高いEC」