2009年にローンチした「Kickstarter」は、クリエイティブなプロジェクトを支援するためのファンディングプラットフォーム。これまでに、映画、ゲーム、音楽、アート、デザイン、テクノロジーなど、10万件以上のプロジェクトが資金調達に成功。世界中の1100万もの人びとの支援によって集まった金額は総額25億ドルにのぼる。
米アマゾンは7月27日、「Kickstarter」から生まれた製品を販売するコーナー「Kickstarter Collection」を公開した。ここでは300以上のユニークな製品を購入することができ、個々の製品紹介ページをスクロールしていくと、使い方を解説する動画や、製品を作ったスタートアップの紹介を見ることができる。
Amazonは昨年、クリエイターや発明家、スタートアップを支援する「Amazon Launchpad」プログラムを開始した。製品は完成したものの、マーケティングや物流などに手が回らないスタートアップに、Amazonのプラットフォームを提供し、市場での展開をサポートすることが目的となっている。
プログラムに参加したスタートアップの製品はAmazon Launchpadのストアで販売され、米国以外のAmazonでの展開も可能。招待されたユーザーが予約商品や新商品をサンプルをレビューする「Amazon Vine」プログラムに参加して、反応を知ることもできる。Amazonはこのプログラムのために、Andreessen Horowitz、Y Combinator、Indiegogoを含む25以上のベンチャーキャピタル、スタートアップ・アクセラレータ、クラウドファンディングプラットフォームと連携している。
このAmazon Launchpadプロジェクトから発表された「Kickstarter Collection」では、電気製品、ワイヤレスアクセサリ、ホーム・キッチン、書籍、映画・テレビ、おもちゃ・ゲームなど、多様な製品をラインナップ。オープンにあたって、いくつかのスタートアップがフィーチャーされており、そのひとつ、2014年に設立されたPiperは、子どもたちがプログラミングを楽しみながら学べる「Piper Computer Kit」を開発。Amazon Launchpadでローンチする前に、Kickstarterで1375人の支援者から28万ドルを上回る金額を調達し、これまでに同製品をレビューしたAmazonユーザーの97%から5つ星の評価を得ている。
新たな製品が生まれる瞬間に立ち会い、それを応援すること。自らもドローン活用や「Echo」といった新製品開発にチャレンジしてきたAmazonにとっても大きな意味がある取り組みと言えそうだ。