ベースメイクとポイントメイク市場の推移
富士経済は、2016年1月から6分野44品目の化粧品国内市場について、3回に分けて調査を行い、その第3回目の調査結果を報告書「化粧品マーケティング要覧 2016 No.3」にまとめた。
2015年のメイクアップ市場は、カウンセリング/セルフブランドともにインバウンド需要を取り込み好調で、2014年比3.5%増の5047億円となった。2016年も続伸が見込まれる。
2015年のベースメイク市場はインバウンド需要の増加により各品目が好調。国内需要はBB(CC)訴求品の使用からステップを踏んだベースメイクへ回帰する動きが加速し、各メーカーがメイクトレンドである透明感や艶感のある仕上がりを実現する高機能なリキッドファンデーションの拡販に努めたことにより、ファンデーションが伸びた。
それに伴い自然な肌質に見せるフェイスパウダーの需要も連動して増加。また、外資系メーカーから新規剤型であるクッションファンデーションが発売され、自然な仕上がりがユーザーに受け入れられ需要を獲得している。
時短ニーズはあるが、リキッドファンデーションへの回帰も
2016年は透明感を持った自然な仕上がりのメイクトレンドが続いているため、薄付きながらカバー力があり、高いキープ力を持った機能性商品の需要が高まっている。特にカウンセリングブランドは、百貨店における集客力の高まりに加え、インバウンド需要の増加により、高単価な機能性商品が好調である。また、セルフブランドはBB(CC)訴求品の需要に落ち着きがみられ、時短ニーズは高いものの、コンパクトパウダーやリキッドファンデーションへの需要回帰が予想される。また、新規剤型のクッションファンデーションが国内メーカーからも発売され、市場の活性化が期待される。
2015年のポイントメイク市場は口もとに重点を置いたメイクがトレンドとなったことで、外資系プレステージブランドのリップカラーが、百貨店で若年層を含む幅広い層の需要を取り込み好調だった。アイメイクは、若年層でカラーマスカラやカラーアイライナーなどカラフルな色味を取り入れたメイクがトレンドとなり、使用アイテム数が増加したため伸びた。インバウンド需要を取り込む動きが本格化したこともあり、ポイントメイク市場は大きく拡大している。
2016年はリップカラーがクッション型アプリケーターやティントタイプなど新規性の高い剤型の発売により好調。アイブロウ、アイライナー、マスカラは単品訴求のアイメイクブランドのアイテムが引き続き伸びている。TPOに応じて複数の色味を使い分ける動きが加速しており、一人当たりの使用本数が増加している。ネイルカラー・ネイルケアは、セルフネイルへの需要回帰が進んでおり市場が活性化している。ケア意識の高まりやSNSを活用しネイルアートへの興味関心を喚起する動きもみられる。