世界のCEOはイノベーションをどうとらえているか
IBMが発表した「IBMグローバル経営層スタディ CEOの視点:破壊者との競争と共創」では、今後3~5年でビジネスを変革する重要テクノロジーとして、先進的なCEOの半数がコグニティブ・コンピューティング(Cognitive Computing)を挙げている。この割合はマーケットフォロワーのCEOより19%多く、2015年11月発表の「IBMグローバル経営層スタディ 全体レポート:境界線の再定義」における、経営者全体の回答に比べても35%多い結果となった。
一方で、クラウドやIoT(モノのインターネット)については、先進的なCEOは、それらを既に採用しており、今後の重要テクノロジーとしてはあまり強調していない。対照的にマーケットフォロワーのCEOは、その重要性をまさに強調しはじめた段階のようだ。
また、先進的なCEOの68%が、イノベーションへの投資が利益に貢献するまで3年以上待つ覚悟であると回答したのに対し、マーケットフォロワーのCEOでは57%となった。
「他業種からの参入」が驚異に
「IBMグローバル経営層スタディ 全体レポート:境界線の再定義」では、ほとんどの経営者が、業界の外から参入してくる想定外の競合が、既存の業界秩序を破壊することを重要な脅威として認識しているが、今回の調査で、CEOは、特に強くこの脅威を認識していることがわかった。
CEOの60%は他業界から参入する競合との競争が激化すると認識しており、これは、2013年の調査結果よりも50%増加。また今回調査した経営者全体の54%と比較しても高い結果となった。
【調査概要】
「CEOの視点:破壊者との競争と共創」は、2003年から、IBM Institute for Business Valueが実施してきた経営層スタディ・シリーズの18回目で、延べ28,000名を超える世界の経営者へのインタビューに基づいている。このレポートは、最高経営責任者(CEO)の洞察を中心にまとめたものである。
インタビューを実施したCEOの総数:818名
北米:66名
中南米:60名
ヨーロッパ・中東・アフリカ:430名
アジア太平洋地域:135名
日本:127名