若年層で高い「ネット通販利用率」
日本通信販売協会（JADMA）は、家電購入における「リアル店舗」と「ネット通販」の利用実態調査を行った。調査対象は、全国の10代から60代の男女1008人。直近1年で家電購入に利用したことがあるチャネルは、全体では「リアル店舗」が68.2%、「ネット通販」が46.6%。年代別でみると、10代、20代のネット通販利用率は56.4％、54.5％と過半数を超えている。
チャネルごとの商品内訳をみると、洗濯機など大型でサイズ感や保証が気になるファミリー家電はリアル店舗で、ヘッドフォンなどコンパクトで商品数が多いパーソナル家電はネット通販で購入される傾向にある。
家電購入で最も利用されているのは「リアル店舗」
次に「家電量販店のリアル店舗」「家電量販店の通販サイト」「家電量販店以外の通販サイト（楽天やAmazon、その他通販サイト）」の利用率を見て見よう。利用率は家電量販店リアル店舗が41.4%と最も高く、次いで家電量販店以外の通販サイト（33.0%）、家電量販店通販サイト（13.6%）の順となった。
家電量販店を利用する理由は「お得感」が判断基準となっており、なかでもリアル店舗ではポイントを加味したお得感、通販サイトでは価格自体による、すぐに実感できるお得感が意識されている。家電量販店以外の通販サイトでは「お得感」に加えて、商品配送の早さ、品揃えの豊富さが選択理由となっている。
リアル店舗とネット通販の併用は一般化しており、リアル店舗で実物を見てネット通販で購入するショールーミング経験率は全体では63.3%、20～40代では7割を超えている。ショールーミング経験者のうち、実店舗と同店のサイトで購入経験がある人は60.1%。一方、リアル店舗で購入する場合でも、ネットで情報収集して店舗に行った経験率は72.0%。ネットで比較した価格をもとに店舗で価格交渉をした経験率は43.4%となり、特に30～40代では5割を超える結果となった。
チャネルごとに感じる不満
1年以内に家電を購入した人に、チャネルごとに家電を購入する際の不満点を聞いたところ、家電量販店リアル店舗の不満点は、全体では価格が高い（23.1%）、在庫が切れていることがある（19.6%）、商品を探すのに時間がかかる（13.1%）の順となった。家電量販店通販サイト利用者、家電量販店以外の通販サイト利用者は、リアル店舗の価格に対していずれも不満を持っている。家電量販店通販サイト購入者は在庫切れなど商品管理に対する不満も高く「欲しいものをすぐ買いたい」という消費者の思いが不満点として表れる結果となっている。
家電量販店通販サイトの不満点は、全体では実際に商品が見られない（35.0%）、値引き交渉ができない（17.8%）、店員などのアドバイザーがいない（13.4%）の順となっている。そのうち、家電量販店リアル店舗購入者では、値引き交渉ができない、店員などのアドバイザーがいないことなど、同店リアル店舗と同じサービス体制が整っていないことに不満を持つ人が多くなっている。
【調査概要】
調査名： 通販に関する実態調査
実施時期： 2015年8月28日から9月1日
調査手法： インターネット調査
調査対象： 全国の10代から60代（15～69歳迄）、および直近1年で通販を利用したことがある男女1008人
