GoogleのAdWords公式ブログによると、今年のネット通販の年末商戦では、これまでより買物客の目的が明確で、行動がより迅速になっている。買物客がひとつのモバイルショッピングセッションにかける時間は昨年より7%短くなり、小売カテゴリーで昨年よりも64%多くモバイルショッピングをしている。
こうした消費者の動きに対応するため、Googleは2つの新機能を発表。ひとつは、商品リスト広告(PLA:Product Listing Ads)、ローカル在庫広告(LIA:Local Inventory Ads)でのリマーケティングを可能にする「ショッピングリマーケティングリスト」だ。
リマーケティングリストは、ウェブサイトにアクセスしたユーザーやアプリユーザーのリストで、キャンペーンを実施するときに、そのリストのユーザーに広告が表示されるように設定できる。ローカル在庫広告は、オンラインで買物をしている人に地元の店舗の商品をアピールすることが可能で、商品リスト広告と同様に商品情報が表示され、店舗に在庫があるかも表示する。
ショッピングリマーケティングリストによって、自社ECサイトでカートを放棄した人や、自社のロイヤルカスタマーが、デスクトップPCやモバイル端末を使ってGoogleで買物をしたとき、リマーケティングリストを使って入札を最適化し、ROIを高めることができる。楽天はこの機能を利用し、前回訪問時にコンバージョンしなかった人を対象にMagazines.comでリマーケティングリストを活用。Rakuten SearchのシニアSEMスペシャリスト、Yuly Gonzalez 氏は、これによってCPAは68%低く、モバイルとデスクトップのコンバージョンは285%高くなったとコメントしている。
もうひとつ発表されたのは、店舗とオンラインで適切な商品をプッシュするための判断材料を与えてくれる2つのツールだ。新しい「ショッピングインサイトツール(Shopping Insight tool)」では、人々がオンラインや店舗の近くで活発に探している商品を特定することができる。2015年4月~9月の間に収集され、インデックス化したデータをもとに、都市ごとにデータを見たり、デスクトップとモバイルの検索の違いを調べることで、Google上で最も人気のあるショッピングの条件を知ることが可能になる。
また、「アソートメントリポート(Assortment Report)」は、既存のGoogleマーチャントセンターのデータフィードを使い、取り扱い商品と消費者のニーズの間にギャップがないかを調べることができる。商品カテゴリーごとに、買物客がリアルタイムにクリックしている人気商品を特定。映画『スター・ウォーズ』の新作に登場する小さなロボット「BB-8」がネットで人気であることがわかれば、オモチャを扱うショップでは取扱い商品に加える判断材料になるだろう。このレポートではまた販売価格のベンチマークを提供し、まだ扱っていない商品ごとに調達や価格を決定するための支援をする。