Salesforceは、次世代マーケティング基盤「Marketing Cloud Next」を正式発表した。自律型AIエージェントによって従来の「do-not-reply(返信不可)型」を双方向の対話型エンゲージメントに進化させた点が特徴。

Marketing Cloud Nextは、「Salesforce Platform」上にネイティブに構築されており、データ分析から施策実行、パフォーマンス最適化までを一気通貫で担う。キャンペーン構築やコンテンツ生成など、これまで時間を要していた業務を短時間で完了可能にする。
自律型AIエージェントは、マーケターが戦略を定義するだけで、ターゲティング、チャネル選定、メッセージやパフォーマンスの最適化、チームやチャネル間の連携まで自動で対応。メールやウェブ、SMSなど全チャネルで顧客行動や文脈に応じたパーソナライズをリアルタイムに行う。
主な新機能
作成
「Agentforce Campaign Creation」により、従来数週間かかっていたキャンペーンの実行を数時間で展開可能となる。「Agentforce」と協力してキャンペーンの全体像を策定し、AIエージェントがターゲット層の抽出、メールやSMSのコンテンツ作成、Flowでのカスタマージャーニーの設定を行う。直接「Data Cloud」内の非構造化データ(英語)を取得できるほか、「Google Drive」、「SharePoint」、「Zendesk」、ブログ、ドキュメントなどの外部ソースも活用し、より柔軟なパーソナライズが実現できる。
エンゲージ
あらゆるチャネルで応答可能な対話設計ができる。Agentforceが会話内容に応じて適切に営業やサポート担当者へ引き継ぐ。また、「Agentforce Web Curation」では訪問者ごとに動的にウェブ体験を最適化する。
リードの精査
「Agentforce Lead Generation&Management」により、リードを自動育成・評価。多言語対応や複数回によるフォローアップにも対応し、営業チームとの連携を強化する(日本での提供時期は未定)。
最適化
「Agentforce Paid Media Optimization」は、広告パフォーマンスをAIが常時監視。効果の低い広告は自動で停止され、ROIに基づくターゲティングや予算最適化が可能。「LinkedIn」との連携も強化され、顧客リスト・企業リストと広告ターゲティングの精度が高まる。2025年7月には現在の顧客にも提供開始される予定。
提供時期(日本国内)
次の機能は日本ですでに一般提供中
- Agentforce Campaign Creation
- Agentforce Paid Media Optimization
- Agentforce Personalization Decisioning
- Data Cloud内の非構造化データの活用
- Marketing Cloud Next本体
そのほかの提供予定
- Agentforce Web Curation:2025年10月予定
- LinkedInとの連携強化:2025年11月予定
- Agentforce Lead ManagementおよびSegment Intelligence:提供時期未定