株式会社メルカリは、2025年5月21日、安心安全なマーケットプレイスの実現に向けた新方針を発表した。ユーザー間で解決が難しい問題に対して積極的に関与し、不正利用の未然防止および不正利用者の排除を目指すとしている。
同社は、新方針にもとづく3つの新たな取り組みを公開。また、同日に記者向けの発表会を実施し、執行役員 CEO Marketplace 迫俊亮氏が、新方針の詳細を説明した。

迫氏によると、「メルカリ」内での詐欺をはじめとする不正の手口は近年多様化しているという。具体的には、返品を希望した購入者が出品者に異なる商品を送り返すといったトラブルが発生している。
そんな中で、トラブル解決に向けたメルカリ側の対応が遅れるケースが存在していた。これに対して同氏は「今まではユーザー間での解決を基本としていた。しかし、今後は当社がしっかりと関与しトラブルに対応していく」との考えを示した。
不正利用への対策として、同社はこれまでも本人確認や不正取引の監視を強化してきた。新方針では、次の3つの取り組みを通じて対策がさらに強化される。
AIを活用した不正利用者の徹底的排除
- 疑わしい行為を検知できるようにAIに学習させ、場合によってはアカウントの利用を制限
- 不正利用者のリスクをスコア化し、悪質性や損害の大きさを踏まえて刑事事件化
- 不正利用者を特定し、民事訴訟やそのほかの手段によって責任を追及
メルカリ鑑定センターによる偽ブランド品の徹底撲滅(2025年9月以降)
- 鑑定可能な対象商品拡大
- 鑑定不備発生時の全額補償
- 対象商品の鑑定義務化
メルカリでは、2025年9月にメルカリ鑑定センターの新設を目指して準備を進めている。
全額補償サポートプログラムによるトラブル被害者の徹底救済(2025年7月以降)
- トラブル被害の全額補償
- ガイドライン公開による補償対応の迅速化
本人確認を行っているか、ほかの取引で問題が生じていないか、一般的な補償状況と比較して申請回数が合理的かなど、一定の条件はあるものの補償金額に制限はないとのこと。なお、補償を受けるためのガイドラインが今後公開される予定となっている。