GMOメイクショップが提供するECサイト構築SaaS「makeshop byGMO」は、2023年の年間流通額が過去最高を更新する3,153億円に達したことを発表した。また、2004年の創業以来の累計流通額は、2023年12月末に2兆5,000億円を突破したという。店舗数は、累計1万2,000店舗、2023年は1,748店舗増という結果を記録している。
これにあわせ、各市場の概況について発表した。
日本文化コンテンツ産業、アニメ・ゲームを中心に市場が拡大
日本の文化コンテンツ産業は急速に成長し、特にアニメやゲーム、IP(知的財産)関連の売上が著しく増加。2022年のこれらの市場規模は2年連続で過去最高を更新し、前年比6.8%増の2兆9,277億円となっている(日本動画協会報告書「アニメ産業レポート2023」サマリー版より)。
市場成長にともない、「makeshop byGMO」でもアニメやゲーム関連商品の売れ行きが好調となり、「おもちゃ・ホビー・ゲーム」ジャンルでは、前年比10%増の184億円の売上を記録。急成長する文化コンテンツ産業の影響が表れていたという。
BtoB向けのサイトや会員制サイトが急成長
BtoB向けのサイトや会員制サイトにおいても、急速な成長を見せた。新型コロナウイルス感染拡大により、企業間での非対面による受発注取引が求められるようになったことに加え、日本社会全体がDX推進への機運が高まっていることも追い風となり、これまでFAXや電話などでおこなわれていた受発注業務がEC化。これにより、BtoB向けサイトや会員制サイトの流通額が急速に拡大した。
特に、医療機関向けの薬などを販売する卸売サイトや、駐車場サービス券発注サイトなど、これまでは企業間の取引においてチラシやカタログなのアナログな方法で販売していた業界がECに切り替えたことで、著しい成長を遂げているという。
円安の影響を受け、越境ECが好調
2023年は「海外販売機能」の利用率が大きく成長し、海外販売額は前年比54%増となった。また、「海外販売機能」の導入店舗数は、前年比64%増を記録している。これらは、2022年より加速した円安により、海外での販売価格が下がり海外での需要が高くなったことが影響していると同社は分析している。
「makeshop byGMO」は直近、売上増に対応できる管理画面の機能強化や、のし、時間指定配送などといった日本の商習慣に合わせた機能を追加。さらにファッション、フード、雑貨などあらゆるジャンルのショップにも対応できるよう機能を追加するなど、常に変化するECサイト運営者のニーズに迅速に対応し続けてきたという。
今後はさらに、2020年より推進している段階的なリニューアル計画である「次世代EC開発プロジェクト」の推進に注力。EC事業者の売上拡大を支援するため、マーケティングデータの有効活用を促進するCRMツールの提供に加え、BtoBを含むさまざまなニーズに対応するため、オークション販売やレンタル・サブスク販売などの機能の提供も積極的に進めていくとしている。