MonotaRO（以下、モノタロウ）は、日本ビジネスシステムズ（以下、JBS）をパートナーとするプロジェクトにより、SAPジャパンが提供するERP「SAP S／4 HANA」（エスエーピー・エスフォーハナ）を導入し、その利用を開始した。
これまでモノタロウが利用してきた会計システムでは、事業の成長にともなって拡大する売掛金の消込や締め処理などの会計処理量の増加に対する、システム的な負荷が高まっていた。2019年度から2023年度までの売上も倍増し、増加する会計処理量に対処するためにサーバーのリプレースなどで対応してきたが、今後も増加するトランザクションをストレスなく処理するためには根本的な解決が必要だと考え、2020年より新しい会計システムの検討を開始していた。
SAP S／4 HANAが採択された理由は、モノタロウにおける売上規模の拡大にともなうトランザクション量を問題なく処理できるであろうという信頼性と、ビジネスの変化に対応できる拡張性にあったという。
JBSの提供価値
JBSは、モノタロウおよびSAPジャパンと協議を重ね、クラウドシステムの導入と活用に際して重要となるFit to Standard（ERPなどを導入する際、アドオン開発を追加で行わずに、業務内容をシステム側の標準機能に合わせていくやり方）を意識した要件定義を実施。また、要件定義終了判定時に100程度あったアドオン候補についても、モノタロウとともにさらに精査を進め、最終的には30程度に絞り込んだ。
JBSはモノタロウの現行の仕組みや業務フローを考慮しつつも、それに固執せず、「事業運営に必要なことをいかにスムーズに実現できるか」を重視して業務にあたったという。そして新システムでは、よりシンプルな売掛金の消込処理や、ペーパーレス対応としての紙文書の電子化と会計伝票への紐づけなどを実現させた。
一例として、ある得意先に関する売掛金の消込処理では、約2時間かかっていた処理時間が10分強となり、約92％の時間が削減されたとしている。
