大和ハウス工業は、シンガポール共和国(以下、シンガポール)において低温物流事業を展開する Storbest Holdings Pte. Ltd(以下、Storbest社)の株式を取得し、同社の連結子会社としたことを発表した。
同社グループは、物流施設の開発から荷物の搬送・輪配送などの物流領域までをトータルでサポートする幅広い事業を展開している。
物流施設開発では、創業以来、工業化建築のパイオニアとして3,000棟以上の物流倉庫を開発してきた。2002年以降は、物流施設の設計・施工にとどまらず、物流最適地の提案から維持管理に至るまで、顧客の事業スキームにあわせた専用の物流施設をコーディネートする同社独自の物流プロジェクト「Dプロジェクト」を開始。不動産や金融など各分野のパートナーを組み合わせ、自社保有・ノンアセット・不動産流動化など物流不動産ソリューションを展開している。事業エリアは海外にも拡大しており、ASEANではベトナム・インドネシアでの冷凍冷蔵機能を備えた物流施設の建設など、現在までに9棟の物流施設を開発し、今後もさらなる開発と機能の拡充を計画している。
また、物流領域では、大和ハウスグループの大和物流が、建材やアパレル、EC(Eコマース:電子商取引)を中心とした物流サービスを担うとともに、冷凍・冷蔵・定温・常温の4温度帯共同配送システムを有する若松梱包運輸倉庫と、3温度帯の保管・配送に高いノウハウを持つ神山運輸が、食品を中心とした低温物流事業を展開している。
そして今回、成長市場であるASEANでの低温物流事業に参入するため、Storbest社を子会社。シンガポールをはじめとするASEAN各国では、人口増加や食生活の多様化などを背景に、コールドチェーン物流の需要が高まっている。同社グループは、Storbest社の子会社化をASEANでの低温物流事業の足掛かりとして、近隣諸国で品質の高い物流サービスを展開するとともに、同社グループが日本国内に構築したコールドチェーン物流網や日系の顧客基盤と連携することにより、シームレスな国際物流サービスの提供を目指している。
今後は同社グループが持つ物流ノウハウや顧客ネットワーク、IoT・オートメーション技術などの事業基盤を最大限活用することで、Storbest 社の施設運営能力のさらなる強化、また、成長著しいASEAN 市場のハブとなるシンガポールの戦略的なロケーションを活用して、同社の近隣諸国への事業展開を加速させる計画だという。