デジタルコマースのPayoneer Inc.の日本法人、ペイオニア・ジャパン(以下、Payoneer Inc.とあわせて「ペイオニア・グループ」)は、海外B2Bビジネスを行っている企業の社長、役員・部長クラス(一般社員以外)を対象に調査を実施した。
海外取引時の理想の決済方法
B2Bビジネスを行っている企業の社長、役員・部長クラスの1,017名に、海外取引での理想の決済方法をたずねた。
「海外取引での決済はどのようなものが好ましいか?(複数回答可)」と質問したところ、『なるべく手続きや手数料を抑えたい(58.2%)』の回答がもっとも多く、次いで『できるだけ為替リスクを減らしたい(54.1%)』『セキュリティ上、安全な決済ルートを確保したい(47.1%)』と続いた。また、手間や費用を抑えたいという声や、リスクを回避したいといった声が主に見受けられた。
代金の受取通貨、約4割が外貨で受取
「海外取引での代金の受け取りは、外貨と邦貨のどちらで行っているか?」と質問したところ、『外貨(41.1%)』『邦貨(22.4%)』『両方(36.2%)』という結果に。邦貨のみで受け取りを行っている企業の2倍近くの企業が外貨で代金を受け取っていた。邦貨のみ、または外貨と邦貨両方を採用している企業に対し、外貨で受け取ることへの不安をたずねた。
- 為替変動による利益率の変化の懸念(40代/男性/東京都)
- 為替レートの急激な変化に遅延する対応(50代/男性/千葉県)
- その国の情勢(50代/男性/北海道)
- 送金から着金までのタイムロスがあること(50代/男性/東京都)
外貨での受取には、為替変動への懸念がぬぐい切れない部分がある様子がうかがえる。それにより、遅延や不利益が生じてしまうリスクが想定される。
海外取引での決済手段、7割近くが銀行送金(SWIFTなどのT/T送金)を採用
「海外取引先からの代金の受け取りは、主にどのように対応しているか?(複数回答可)」と質問したところ、『銀行送金(SWIFTなどのT/T送金)(67.3%)』と回答した人がもっとも多く、次いで『銀行送金(信用状取引)(47.8%)』『外貨受取りサービス(PayPal、Alipay 、Payoneerなど)(25.3%)』『クレジットカード(15.4%)』と続いた。7割近くが「銀行送金(SWIFTなどのT/T送金)」により代金を受け取っていることがわかる。
続いて、「それらの決済手段を使っている理由を教えてください」質問したところ、『利便性が高いから(43.2%)』を回答した人がもっとも多く、次いで『契約上その取引方法しか対応できないから(23.4%)』『他の方法を知らないから(15.0%)』『相手から指定があったから(9.8%)』『手続きが楽だったから(6.7%)』と続き、4割以上が利便性を重視して決済手段を選択している。また、取引先との事情があり選択の余地がないことや、その決済方法しか知らなかったという回答が見受けられた。
続けて、利用している決済方法以外の方法を選択しない理由をたずねた。
- 煩雑になる可能性がある(40代/男性/東京都)
- 特に代替する必要性を感じないから(50代/男性/埼玉県)
- 極力リスクを避けたいから(50代/男性/宮城県)
- 利便性のより良い手段を知らない(50代/男性/東京都)
知識不足も理由のひとつとなっているようだが、多くは煩雑化によりリスク増加を防ぐといった理由が考えられる。
複数の決済手段を利用することによるリスク増加を懸念する声が寄せられたが、複数利用する人にどのような理由があるかをたずねた。
- リスクに備えて(30代/女性/東京都)
- 決済手段として数多く取り入れた方が利用者が増えるから(30代/男性/東京都)
- 取引先の要求に合わせることがあるため(40代/男性/東京都)
- 利便性や信用問題(50代/男性/静岡県)
複数の決済手段を利用することで煩雑化し、それがリスクとなっているとも考えられるが、かえって、複数の決済手段が可能であることによりリスクヘッジを図ることができるとも考えられる。取引先によって指定される決済手段が異なってくるため、それに対し柔軟に対応できることで、取引数の増加も見込めるという。
決済にかかる費用面について
「海外取引先からの代金受取り、支払いに対してどのくらい費用がかかっているかを認識しているか?」と質問したところ、8割近くが『はい(78.1%)』と回答。多くは決済にかかるコストを認識できていた。しかし、5人に1人の割合で、認識できていない人も見受けられた。海外との取引では、通貨が異なるために決済時の手数料なども考慮する必要がある。
「銀行での決済はコストダウンできる可能性があることを知っているか?」と質問したところ、『知っている(64.8%)』『知らない(35.2%)』という結果に。6割以上は銀行での決済をコストダウンできる可能性があることを知っている一方、一定数には認識が広がっていないことが判明した。
調査概要
- 調査実施期間:2022年11月22日(火)~2022年11月24日(木)
- 調査の対象:ゼネラルリサーチ社登録モニターのうち、海外B2Bビジネスを行っている企業の社長、役員・部長クラスの方(一般社員以外)を対象に実施
- 有効回答数:1,017人
- 調査方法:ゼネラルリサーチのモニターを利用したウェブアンケート方式で実施