アリババグループ・ホールディング・リミテッド(以下、「アリババ」「アリババグループ」「グループ」)は、今年で14回目となり、29万以上のブランドが参加する「2022年天猫ダブルイレブン・ショッピングフェスティバル(以下、天猫ダブルイレブン)」の開幕を発表した。同社は、ダブルイレブン期間中に限らず、それ以降のマーチャント(出店企業)の事業成長を支えるロイヤリティプログラム拡充や新商品発表のためのツールやソリューションを提供する予定となっている。
現在までに、Tmall(天猫)では40以上のブランドが1,000万人超のロイヤリティプログラムを運営し、600ブランドが100万人超のロイヤリティプログラムを運営している。
天猫ダブルイレブンの予約販売期間は、北京時間10月24日午後8時に開始した。天猫ダブルイレブンの第1弾は北京時間10月31日午後8時から11月3日終日まで、第2弾は11月10日午後8時から11月11日終日までとなる。
ブランドのロイヤルカスタマー育成を支援
同社は、ロイヤリティプログラム強化を含めたマーチャントの施策を支援し、マーチャントが消費者を引き付け、魅了し、維持するためのツールとして、ロイヤリティプログラムの幅広い利用を促進する。
アリババのエコシステム全体のプレミアムロイヤリティプログラムである88VIP会員は2,500万人を超え、年間平均消費額は約57,000元(約115万円)を超えている。これはアリババのプラットフォームにおける顧客が、強い購買意欲を持つ質の高い消費者層であることを示している。同社は、マーチャントが独自ロイヤリティプログラムの運営能力を構築し、より上手く顧客ターゲットを絞り、より良いサービスを提供できるよう支援している。ナイキやユニリーバなど多くの一流ブランドは、既存顧客との関係をより効果的に強化すると同時に、タオバオとTmallで年間約20万円以上を消費する1億2,300万人を超える年間アクティブ・コンシューマーなどからの新規顧客を獲得すべく、すでにTmall店舗のロイヤリティプログラムを運営している。
ライブコマースは顧客エンゲージメントを高めるための効果的なチャネルであり、アリババは「タオバオライブ」を通して天猫ダブルイレブン中に、マーチャント自らがライブコマースを運営できる機能を提供する。
また、今回の天猫ダブルイレブンでは、先月Tmall旗艦店をオープンした最高級ブランドのモンクレール(Moncler)やフェラーリ(Ferrari)から、ファッションやアクセサリーなどの新製品が紹介される予定。また、多くのブランドがTmall新商品イノベーションセンター(TMIC)の消費者インサイトに基づいて開発した製品を披露する。
国内外におけるマーチャントへの手厚い支援
マーチャントやインフルエンサーが主催するライブコマース支援は、天猫ダブルイレブンにおいて、アリババが中小企業に提供する多くの支援策のひとつ。特に、新たに立ち上げられたライブコマースに対して、マーケティング露出と顧客ターゲティングの支援を提供する予定となっている。
同社は、事業分析ツールへのアクセスや資金面でのサポートもマーチャントに提供する。たとえば、マーケティング分析ツールは、今回の天猫ダブルイレブンにおいて、タオバオとTmallの全マーチャントに初めて提供され、マーチャントのリアルタイムでの意思決定を支援。また、Tmallとタオバオは天猫ダブルイレブン期間中、マーチャントの資金流動性の懸念を和らげるために、より迅速な支払サイクルを提供し、特定の商品については売掛金回転期間を平均7日に半減させる予定とのこと。
越境ビジネスに従事するマーチャントからの物流サポートに対する需要の高まりに対応するため、ツァイニャオ(菜鳥)は、天猫ダブルイレブンに向けて倉庫管理、通関手続き、複数の拠点をまたぐ長距離輸送や配送などをさらに効率化した。輸入貨物向けの長距離輸送ルートを20%増やし、自営保税倉庫の容量を2倍に増やした。さらに、主要な輸入市場を網羅するために、航空、海上、道路、鉄道などにまたがる400ルートの長距離輸送サービスを開始。中国からの輸出については、AliExpressと緊密に連携し、さまざまな市場で指定時間枠内での配送サービスや遅配補償を提供し、マーチャントと消費者に快適な体験を保証している。
発展途上市場向けには、タオター(淘特)が天猫ダブルイレブン期間中、中国の1,800以上の産業クラスターと協力し、10,000以上の工場から食料品など、お得な商品を提供する。
よりグリーンな消費者体験を提供
今年は、より環境に配慮した天猫ダブルイレブンコミュニティーの構築を目指した取り組みを行う。アリババグループが新たに発表した低炭素製品の標準ガイドラインに基づき、Tmallが低炭素製品ラベルを、エネルギー効率の高い電化製品に加え、アパレル、食品、化粧品などより幅広い分野にて提供する。この新しい低炭素製品ラベルは、低炭素製品をより容易に識別でき、購入が環境に与える影響をチェックできるようにすることで、消費者にプラットフォーム上でより持続可能な選択を促すことを目的としている。
Tmallはまた、40以上のブランドと協力し、さまざまな取り組みを通じて低炭素製品を促進するグリーンキャンペーンを開始した。たとえば、40以上のブランドのうち、P&G、ハイアール、ThinkPad、Yiliなどの10ブランドがTmallと提携し、消費者への無料ギフトとして、6つのリサイクルペットボトルから作られている革新的で持続可能なエコバッグを提供し、持続可能な製品の消費を促進することを目指している。さらに、Tmallはアリババグループのデジタル技術とインテリジェンスを支えるアリババクラウドと共同で、クラウドの炭素管理プラットフォーム「エナジーエキスパート」を活用し、上記40以上のブランドが低炭素製品を特定し、データに基づいた持続可能性を実践できるよう、オンラインで炭素排出量のモデル化、計算、認証を提供している。
このほか、ツァイニャオ・ネットワーク(菜鳥網絡)は、何千ものマーチャントと協力し、配送や梱包による二酸化炭素排出量の削減を支援するとともに、オフラインのツァイニャオ郵便局約10万ヵ所で小包のリサイクル活動を強化する予定だという。