ABBYYジャパンが10月24日に記者会見を開催し、新製品「ABBYY Proof of Identity」のリリースを発表した。ABBYYは1989年に創業した、アメリカに本社を持つOCRベンダー。現在は15か国にオフィスを構え、5000万以上のユーザーを有している。
今回、同社からリリースされたABBYY Proof of Identityは、身分証明や本人確認をその場で行うことができるオールインワン本人確認ソリューションだ。会見には、ABBYYジャパン代表取締役社長 前田まりこ氏、シニア プリセールスエンジニア 近井英樹氏が登壇し、その概要を説明した。
本製品は、すでにあるドキュメントプロセッシングサービス「ABBYY Vantage」とプロセスマイニングサービス「ABBYY Timeline」上に搭載されており、主な機能は次の通り。
- 本人確認情報の読み取り、モバイルキャプチャやドキュメント仕分け
- 本人確認情報の確認、画像の改ざんによるなりすましの検出
- 精度の高い顔照合
- ドキュメントのトレイリング(文書処理中心の本人確認)
- 例外処理(特定の取引に対する任意の人手による監査)
- プロセス改善の可能性を見つけるためのプロセスインテリジェンスとマイニング
運転免許証などの身分証明書を読み取った後、その証明書自体が本物であるかどうかの検証も実施するとのこと。利用する顧客側の作業に関しては、本人確認書類とデバイスの用意、書類の読み込み、顔照合の大きく分けて3つだ。
近年、オンライン上での商取引が増加した一方で、個人情報の盗難やなりすまし詐欺などの詐欺行為も発生している。また、複雑な本人確認プロセスによってユーザーが途中で離脱してしまうという課題もある。そのため、前田氏は本製品について「AI OCRを活用し、使いやすさと安全性の両立に着目して開発した」と述べた。現状では、とくに本人確認作業が多い銀行などの金融機関、不動産業種、地方自治体などをターゲットにサービスを提供していくという。