ラピュタロボティクスは、2021年8月30日より、「ラピュタAMR」の試験的な提供を行っていた佐川グローバルロジスティクスの堺SRC倉庫に、2021年10月14日より本格提供を開始した。今後はサポート体制を整え、全国への展開を予定している。
ラピュタロボティクスの物流倉庫自動化への取り組みは、2018年10月の実証実験に始まり、2020年7月より商用化を開始。佐川グローバルロジスティクスとの実証実験では、柏SRC(千葉県柏市)に「ラピュタAMR」11台をテスト提供。
本格提供後の2021年3月には「ラピュタAMR」活用前後の比較で、スタッフ1人・1時間当たりのピッキング数が2.5倍になるなど、生産性の向上が認められたことから、今回新たに堺SRCへの提供が決定した。
通常、AMRにてピッキング作業を行う際には、折りたたみコンテナ等を利用して商品を収集し、その後、商品の段ボール等への梱包作業は作業員が行う。一方で、堺SRC倉庫では、「ラピュタAMR」がまず商品に合うサイズの段ボール箱を自動選定し、ピッキングが必要な商品棚の前まで移動、その後スタッフは直接商品を段ボール箱に投入。
「ラピュタAMR」の液晶画面に、適切なサイズの段ボール箱が表示される。表示された段ボール箱をスタッフが「ラピュタAMR」の上に載せると、ピッキング作業が開始。ピッキング完了後は、段ボール箱の蓋を閉めるだけで商品の梱包が完了する。
これにより、作業者の歩行動線が大幅に削減できるだけでなく、ピッキング作業者がロボット上の段ボールに直接商品を投入しできることから、ピッキング、梱包作業双方の省人化が期待される。
関西エリア 堺SRC 所長 林晃正氏は次のようにコメントしている。
「堺SRCは近年顧客の物量増に対して労働力不足と高齢化が課題でした。 AMR導入により、これまでのカートで1件ずつのシングルピックから最大で4件のマルチピックが可能となり作業効率の向上、またピッキング時の歩行数が減り作業者の負担軽減にも繋がっております。また、ロボットのナビゲーションに従って作業を進めるので、初心者でも簡単に操作できます。早期の課題の解消と労働環境改善に期待しています」