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DX推進は意識改革から 「haco!」と「JAPEX」がIEMで得た成果と発見を振り返る

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 多くの企業のなかで、永遠の課題と言っても過言ではない「在庫」の問題。これまでは売上を拡大するため、商品を欠品させないことに重点を置き、在庫を増やし続けていた企業も、SDGsやサスティナブルな取り組みへの注目が集まるなかで、今まで通りのやりかたで良いのか考える機会も増えているのではないでしょうか。この連載では、フルカイテンの瀬川さんが在庫管理の新概念「在庫実行管理(IEM)」をご紹介。第6回は、「実例から見る正しいDXの進めかた」についてお伝えします。

 前回の記事では、日本の人口動態から見て、2024~2025年には社会保障給付費の急増と可処分所得の減少によって小売市場の縮小が確実であり、売上至上主義から「粗利第一」への経営の転換が必要不可欠だということをご説明しました。第6回でお伝えする内容は、次の通りです。

  1. IEM実践で客単価5%向上。秘訣はデータのフル活用
  2. コロナ危機で仕入れがストップしても、既存在庫を「宝の山」に
  3. ITツール導入は目的ではなく手段。正しいDXとは

 これまで5回にわたってお伝えしてきた「IEM(在庫実行管理)」を日々の業務に落とし込み、コロナ危機下でも成果を上げている企業の事例をご紹介します。

手持ち在庫を使いノーコストで客単価アップ 「haco!」の事例を紹介

 通販大手フェリシモの子会社 cd.が運営するファッションECサイト「haco!(ハコ)」は、レディースを中心としたライフスタイル提案型セレクトショップです。従来はフェリシモが運営していましたが、2020年3月からcd.に事業が移管され、経営体制を強化しています。

フェリシモのグループ会社 cd.が運営するファッションECサイト「haco!」

 そんな新生haco!がIEMを実践することで、わずか1ヵ月で客単価を約8%向上させています。実現にあたり、何か特別なことをしたというわけではありません。IEMの基本的な考えかたである「今、手元にある在庫の中から、客単価向上に貢献する商品を見つける」ことを繰り返した結果、成果につなげることができたのです。

 具体的にどのような取り組みを行ったのかと言うと、まずは全体の平均客単価の向上に貢献する客単価帯を「マス」ととらえ、そのマス層の注文の中で頻繁に購入されている商品の品番を特定しました。その上で、該当する品番の商品がどのような組み合わせで注文されているのかを分析したのです。その結果、合わせ買いされるケースが多い商品をクリックした顧客に対し、「よく一緒に買われている商品はこれ」といった提案ができるようになりました。

 また、IEMの取り組みにより、期中に動いているオンシーズンものをサイト上で並べ替える際の方法にも変化が生じています。従来は売れ筋の商品を前面に押し出し、手をかけて見せかたの工夫を行っていたため、売れ行きが鈍化する兆しのある商品や、消化が進んでいない商品を訴求する優先度はどうしても低下していました。こうした商品は、放置すると不良在庫化してしまいます。

 前出した課題に対し、haco!はIEM実践ツールである「FULL KAITEN」を活用し、不良在庫となりかねない商品の見極めを行うことに成功しました。FULL KAITENでは、「この商品を放置すると不良在庫に落ちてしまうよ」といったアラートを可視化しています。アラートが出ている商品に意識的に手をかけることで、手遅れになる前に販売施策を考えることが可能となりました。

 従来haco!では、「データを見る日」をわざわざを設け、手間と時間をかけてシステムから商品に関するデータを探し出し、容量の大きいデータをExcelに計算させ、セールや合わせ買い提案に用いる商品を選択していたそうです。FULL KAITEN導入後は、こうした作業がクリックひとつで済むようになり、アイテム選定に要する時間が大幅に短縮されています。

 FULL KAITEN導入による最大の変化は、作業の効率化に成功したことで、新たなチャレンジに時間を使うことができるようになった点だと言います。品番ごとの細かい価格設定や、顧客により買い物を楽しんでもらえるような提案型コンテンツの充実化にリソースをかけることが可能となり、セールスマネージャーの道満未緒さんは「Excelと格闘していた頃と比べると、今の業務は本当に楽しいです」と話しています。

※この続きは、会員の方のみお読みいただけます(登録無料)。



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連載:在庫管理の新概念 IEMを考える

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