前回のコラムでは、物流について、商品を保管してデリバリーするだけでなく、顧客ニーズを満たすことを考え、物流を設計する重要性をお伝えしました。今回はオムニチャネルに必要とされる「在庫の管理法」についてお伝えいたします。
ネット通販の広がりとともに変化を遂げる流通と物流
これまでの流通の歴史を辿ると、単一店舗のみの「シングルチャネル」から、複数のチャネルを提供する「マルチチャネル」へ、さらには複数のチャネルでの顧客情報や在庫情報を連携する「クロスチャネル」から、それらのチャネルやSNSなどへの情報発信も含め、シームレスにつなぐ「オムニチャネル」へと大きな変化を遂げてきました。流通が進化するのであれば、物流もその動きに適合する必要があります。
2000年代前半以降、ネット通販が拡大する中で、これまでの実店舗向けに保管し、デリバリーを行う「BtoB物流」とは一線を画した「ネット通販向け物流(BtoC物流)」が広がりました。今ではBtoB、BtoC双方を扱える物流倉庫も増えてきましたが、商品の取扱に関して異なる点が多々あるため、事業者と物流倉庫との間でトラブルになるケースも少なくありません。とくに、アパレル商材を取り扱う物流はその違いが顕著です。