企業HP用のサイト内検索エンジンでは、ECサイトでの高パフォーマンスは難しい
前回は、具体事例の費用対効果を見ながら、サイト内検索エンジンの妥当な投資額について触れました。いよいよ今回は、具体的なエンジン選定のポイントについて解説していきます。
日本国内で利用可能なサイト内検索エンジンは、国内外合わせて約30社から提供されていますが、利用用途、機能、価格帯、提供形態など様々なバリエーションがあります。その中で最も普及していると考えられるのは、企業HPのページ検索や社内システムのファイル検索などの利用を想定した検索エンジンですが、実はそのような検索エンジンはECサイト用途では十分なパフォーマンスを出せません。
というのも、企業HPや社内システムの検索を行うためのエンジンは、
- キーワード相関による検索ヒット率の精度が高いこと
- ページ以外にもファイルなどの検索ができること
- セキュアな環境下でシステム連携できること
などを重視して開発されており、必ずしも今までの連載の中で触れたようなECサイトが抱える固有の課題を解決するための機能性や運用性を備えていないのです。
それでは、どのような検索エンジンがECサイト固有の課題を解決できるのかというと、これは非常に簡単で、「ECサイト向けに特化した検索エンジン」となりますが、その中でも色々と差があります。機能性、運用性、パフォーマンスの観点でどのような選定のポイントがあるかまとめます。
1.ECサイトのサイト内検索エンジンに必要な機能
昨今のEC市場の拡大に伴い、「EC特化」を謳う検索エンジンが複数提供されていますが、実際にはECサイトの課題を解決するには機能が乏しいケースも少なくありません。
ECサイト向けに特化した検索エンジンは、「ユーザビリティを改善する」機能と「検索結果をコントロールする」機能に優れている必要がありますが、以下のような機能が標準実装されているかどうかが、見極めの1つのポイントになるでしょう。
ユーザビリティを改善する
- キーワード入力サポート機能(サジェスト/オートコンプリート)
- 検索結果ゼロ回避機能(同義語登録/表記揺れ対応)
- 絞り込み機能(ドリルダウン)
- 検索結果数事前表示機能(ファセットカウント)
- ソート項目の任意設定機能
検索結果をコントロールする
- キーワード検索対象項目の任意設定機能
- キーワード検索の重み付け任意設定機能
- アイテム単位の重み付け任意設定機能
- ルールベースの表示フィルタリング機能
- 行動履歴を加味した検索結果の自動最適化機能