SEO対策の「なぜ」を解決する入門書
EC事業者の方なら避けては通れない施策のひとつが「SEO」。ECサイトだけでなくウェブサイトを運営している方なら、言葉の意味を知っている方も多いと思います。
ですが、
- どんなものかは理解しているけれど、具体的に何をしたら順位があがるのかわからない
- ユーザーが知りたい情報とのマッチ度合いが大事というけれど、何を基準に判断されているのか、どう施策を打てばいいのかわからない
- 言葉を知ってはいるものの、SEOのイメージがいまいち湧かない
という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな時に役に立つ1冊が本日ご紹介するこちら、『いちばんやさしい SEO入門教室』(以下、本書)。
メールマガジンやSEO用コンテンツなど、あらゆるウェブコンテンツの企画から分析までをワンストップで行う株式会社グリーゼの取締役、ふくだたみこ氏による書籍です。
目次
Chapter 1 SEOって何?~基礎知識編~
Chapter 2 キーワードを決めよう~SEO準備編~
Chapter 3 SEOに最適なWebサイト制作~サイト構築編~
Chapter 4 良質なコンテンツの作り方
Chapter 5 良質なリンクの集め方~リンク対策編~
Chapter 6 業種別・目的別のSEO
Chapter 7 Webサイトを分析する
Appendix SEOに関するアドバイス付き用語集
SEO対策を実際に行ってみると、順位が上がった、下がったに一喜一憂したり、順位をあげるためにはどんなコンテンツがいいのかなど、順位をあげることが目的になってしまいがちです。
ですがSEOの施策に取り組むうえで最も大事なことは、「お客様の気持ちを考えること」であるとふくだ氏は冒頭で述べています。上位に表示させるためにどうするのかを考えるよりも、「ユーザーに役立つコンテンツをせっせと作る」ことがなによりのSEO対策になる。本書では最初から最後まで、この考えが中心に据えられています。
そのマインドが根幹にあるべきとしたうえで、具体的にどのような施策を打っていけばいいのか、何を基準に考えていけば「役立つコンテンツ」が作れるのかなど、ときには著者が実際にクライアントと打ち合わせをした際の会話を交えながら、SEO対策のいろはが記されています。
もうひとつ、本書のなかで著者が大事にしているのは「なぜいいのか、なぜ悪いのか。その理由をしっかり明言すること」ではないかと思います。
例えば、Chapter4の[良質なコンテンツの作り方]で、「サイトのトップページには画像だけではなくテキストを入れましょう」と説明している項目があります。
そこでもただ「テキストを入れたほうがSEOに効果的だから、テキストも入れなさい」ではなく、「なぜテキストを入れたほうがいいのか。なぜ画像だけではいけないのか」が解説されています。
その解説が一言あると説明に納得感が生まれるため、読者も印象に残りやすく、知識が定着するスピードも早まるのではないかと思います。
本書は入門書として書かれていますが、すでにSEO対策を行っている方には、辞書的に活用するのもおすすめです。最後には頻出単語の索引が載っているため、そこから知りたい用語の該当ページを探すことが可能です。
SEOに取り組んだことがない方は最初から一通り読んで基礎知識の習得に、SEO経験者の方は不足している分野の補填に、本書をお使いになってみてはいかがでしょうか。