『バカ売れキーワード1000』著者に聞く、売れるコピーの仕組み
堀田さんが執筆した『バカ売れキーワード1000』は、広告やチラシ、商品紹介のコピーなどで使える「売れるキーワード」を、類義語を含めると4,000語収録した、キャッチコピー辞典だ。初版は2010年で、2014年には「カラー改訂版」としてリニューアル。現在もEC系のセミナーなどで紹介されている、ロングセラー書籍だ。
そんな「売れるキーワード博士」と言える堀田さんだが、なぜキャッチコピーやキーワードを蒐集するようになったのだろうか。
「私自身、広告業界の人間ですが、自分自身、キャッチコピーで人を引きつけることから企画を考えることが多かったのです。ただ、やはり毎回ゼロから考えるのは大変なので、日頃から『このキーワード、使えるな』と思ったり、広告企画のアイディアを思いついたら、必ずメモを取ることを習慣づけていました。
その後、2004年にはメルマガを開始しました。読者の多くは、広告業界で企画を担当している人や、ECサイトを運営している人、実店舗で販売を手掛ける人などが中心でした。毎回テーマを決め、いいキャッチコピーや手法などはどこが良いのかを分析し、ダメなものは、なぜダメなのかを検討する、という内容で記事を配信しました」
メルマガの読者が増えるに連れ、キーワード関連の依頼が堀田さんに届くようになる。2007年ごろには出版社から書籍の提案があり、2年ほどかけて『バカ売れキーワード1000』を出版した。
「商品が欲しい」と思った瞬間に、キーワードをメモする
堀田さんの経歴を見ると、大学で心理学を学んだ後に、広告業界へ足を踏み入れている。心理学と広告、やはりつながりがあるのだろうか。
「心理学を勉強していたせいか、人間の購買行動と心の動きに視点を持っていく癖がありますね。たとえば日常生活の中で、お客様がモノを購入されるときの心の動き、また自分がモノを欲しいと思ったときの心の動きに注意を払っています。自分の中で『なぜこれを欲しいと思ったのだろう?』と問いかけてみるのです。そのとき、商品を紹介している言葉に引っかかってしまったからだ、と思ったら、すぐにそのキーワードを拾い上げるようにしています」